ヒョンデがモータースポーツで培ったテクノロジーを注いで開発したモデル
「ヒョンデ アイオニック 5 N」は、アイオニック 5のハイパワーバージョン。BEV(バッテリー電気自動車)のアイオニック 5をベースに、前後の2モーターをパワーアップ、システムの最高出力は448kW、最大トルクは740Nmに達する。しかも、10秒間だけ使用可能なNグリン ブースト時は478kW/770Nmにまでアップする。また、このハイパワーに対応するため、専用の電子制御サスペンションや高性能ブレーキも採用されている。
アイオニック 5 Nは、WRC世界ラリー選手権やツーリングカーなどで活躍するヒョンデが、モータースポーツで培ったテクノロジーを注いで開発したモデルで、BEVでもエキサイティングなドライビング提供し、「高性能EV」という新しいカテゴリーを開拓するパフォーマンスが注目を集めている。
車名の「N」はヒョンデのハイパフォーマンス ブランドの総称で、ヒョンデのR&D拠点がある韓国の南陽(ナムヤン)と、開発テストの舞台であるニュルブルクリンク サーキットの頭文字に由来する。
アイオニック 5 Nは、2023年7月にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでワールドプレミアされ、2024年6月5日より日本市場でも販売が開始されている。
ヒョンデ アイオニック5 N 主要諸元
●全長×全幅×全高:4715×1940×1625mm
●ホイールベース:3000mm
●車両重量:2210kg
●モーター:交流同期電動機×2
●最高出力:前175kW(238ps)、後303kW(412ps)
●最大トルク:前370Nm、後400Nm
●システム最大出力:448kW(Nグリン ブースト時:478kW)
●システム最大トルク:740Nm(Nグリン ブースト時:770Nm)
●バッテリー総電力量:84kWh
●最高速度:260km/h
●0→100km/h加速:3.5秒(Nグリン ブースト時:3.4秒)
●一充電航続可能距離:625km(欧州仕様値)
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:275/35ZR21
●車両価格(税込):858万円
オフィシャルカーの厳しい要件を満たす1台として高く評価
今回、そんなアイオニック 5 Nが富士スピードウェイ初となるBEVのオフィシャルカーに採用された。
オフィシャルカーの選定にあたっては、レーシングスピードに耐えられるパフォーマンスや耐久性が求められるが、アイオニック 5 Nは、その厳しい要件を満たす1台として高く評価された。
富士スピードウェイが公式車両として初めてのBEVであるアイオニック 5 Nを採用したことで、BEVの販売、BEVのスポーツ走行の認知や普及、EV関連のインフラ整備が進むことが期待される。
今回の富士スピードウェイオフィシャルカー採用にあたって、ヒョンデ モーター カンパニーの趙代表取締役社長は「この度、オフィシャルカーとして採用していただきとても嬉しく思います。富士スピードウェイのオフィシャルカーとして採用されたアイオニック 5 を通じて、『N』が追求する電動化時代でも変わらないドライビングの愉しさを日本のお客様に伝えていくと同時に、EVに対する従来の概念から一歩踏み出し、EVをより親しみやすく興味を持っていただけるきっかけとなることを期待しています」とコメントしている。