ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年になる。もともとは、レース参戦のためのホモロゲーション取得のために開発されたものだったが、翌1974年市販モデルが発表されるとその高性能ぶりは世界から大きな注目を集め、ポルシェの予想を大きく上回る人気を獲得。以来50年にわたって、「911ターボ」はポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた。そんな「911ターボ」の軌跡をたどってみよう。

第1世代:930ターボ3.0(1974-1977) レーシングカーゆずりの最先端技術

1973年のフランクフルト国際モーター ショーに計画中の 911ターボのプロトタイプが展示されていた。このモデルは、FIAが1975年から世界メイクス選手権を市販車をベースとしたグループ5規定で行うと発表したことから、そのホモロゲーション取得のために開発が進められていた。

画像: 大きく張り出したリアフェンダー、クリーリングエアを取り入れる大型固定式リアスポイラーが特徴的。

大きく張り出したリアフェンダー、クリーリングエアを取り入れる大型固定式リアスポイラーが特徴的。

翌1974年には市販モデル「911ターボ」がパリサロンに登場。1975年からデリバリーが開始されると、その快適で豪華なインテリアと強化された高性能スポーツカーのドライビングダイナミクスが市場から大きな支持を得て、生産開始から3年間で、この911ターボはポルシェの予想を大きく上回る2850台を生産することになった。

社内コードで「930」と呼ばれたこのモデルはブースト圧制御ターボチャージャーを搭載、最高出力は191kW(260ps)に達し、0→100km/hを5.4秒で加速、最高速度は250km/hを超えていた。また、レーシングカー「917」のリジッドホイールハブや「911カレラRSR」のサスペンションを採用するなど、モータースポーツで培かわれた技術がふんだんに盛り込まれていた。

なお1977 年モデルでは、ブースト圧ゲージ、16 インチ ホイール、パワー ブレーキが 911 ターボに追加されている。

ポルシェ 911ターボ(1974)[930ターボ3.0] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4291×1775×1320mm
●ホイールベース:2272mm
●重量:1140kg
●エンジン:空冷・水平対向6 SOHCターボ
●排気量:2994cc
●最高出力:260ps/5550rpm
●最大トルク:343Nm/4000rpm
●トランスミッション:4速MT
●駆動方式:RR
●最高速:250km/h
●0→100km/h加速:5.5秒

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