第1世代:930ターボ3.0(1974-1977) レーシングカーゆずりの最先端技術
1973年のフランクフルト国際モーター ショーに計画中の 911ターボのプロトタイプが展示されていた。このモデルは、FIAが1975年から世界メイクス選手権を市販車をベースとしたグループ5規定で行うと発表したことから、そのホモロゲーション取得のために開発が進められていた。
翌1974年には市販モデル「911ターボ」がパリサロンに登場。1975年からデリバリーが開始されると、その快適で豪華なインテリアと強化された高性能スポーツカーのドライビングダイナミクスが市場から大きな支持を得て、生産開始から3年間で、この911ターボはポルシェの予想を大きく上回る2850台を生産することになった。
社内コードで「930」と呼ばれたこのモデルはブースト圧制御ターボチャージャーを搭載、最高出力は191kW(260ps)に達し、0→100km/hを5.4秒で加速、最高速度は250km/hを超えていた。また、レーシングカー「917」のリジッドホイールハブや「911カレラRSR」のサスペンションを採用するなど、モータースポーツで培かわれた技術がふんだんに盛り込まれていた。
なお1977 年モデルでは、ブースト圧ゲージ、16 インチ ホイール、パワー ブレーキが 911 ターボに追加されている。
ポルシェ 911ターボ(1974)[930ターボ3.0] 主要諸元
●全長×全幅×全高:4291×1775×1320mm
●ホイールベース:2272mm
●重量:1140kg
●エンジン:空冷・水平対向6 SOHCターボ
●排気量:2994cc
●最高出力:260ps/5550rpm
●最大トルク:343Nm/4000rpm
●トランスミッション:4速MT
●駆動方式:RR
●最高速:250km/h
●0→100km/h加速:5.5秒