ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年。ポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた「911ターボ」の軌跡をたどる短期連載企画、今回はツインターボとなった第四世代の革新ぶりを紹介しよう。

第4世代:993ターボ(1995-1998) パフォーマンスの概念を再定義

1995年3月、ポルシェはジュネーブ サロンで 新型911ターボ「993ターボ」 を発表し、911ターボの革新的パフォーマンスを再定義した。

「993ターボ」開発にあたって、チームは加速時のターボ ラグを前例のないほど最小限に抑えることを目指し、これまで採用していた1つの大型ターボチャージャーを2つの小型ターボチャージャーに置き換えた。

2 つの小型ターボチャージャーを採用した 3.6Lエンジンは、大排気量の自然吸気エンジンに似た出力特性を備え、わずか2000rpmから驚異的なパワーを発揮。最高出力は300kW(408ps)、最大トルクは540Nmに達した。

このパワーに対応して、エアロダイナミクスの追求と4輪駆動の採用は必要不可欠なものになっていた。

そこでポルシェは車高を低くして剛性を高め、リアエンドに新しいウイングを装着。このリアウイングは従来の911ターボのウイングの半分の重量でリアエンドを安定させた。また、世界で初めて採用された中空スポークデザインの18インチアルミホイールは軽量化と空力特性向上に貢献している。

4輪駆動システムが標準装備されたことも大きなポイントとなった。通常の走行では前輪に伝達されるエンジントルクは5%に過ぎなかったが、極限の状況では最大40%のトルクを前輪に伝え、高速走行時や滑りやすい路面での運転安全性を高める画期的なシステムとなった。

993ターボは「ポルシェ。これに代わるものはありません」という印象的な広告キャッチコピーとともに北米市場に上陸して大ヒット。1995年から1998年の4年間で6015台が生産されている。

画像: 4WDシステムを搭載する初めての911ターボとなった「993ターボ」。4WDシステムの搭載は先代964から検討されていたが、911ターボに相応しいシステムの完成を待って搭載された。

4WDシステムを搭載する初めての911ターボとなった「993ターボ」。4WDシステムの搭載は先代964から検討されていたが、911ターボに相応しいシステムの完成を待って搭載された。

ポルシェ 911ターボ(1995)[993ターボ] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4245×1795×1285mm
●ホイールベース:2272mm
●重量:1470kg
●エンジン:空冷・水平対向6 SOHCツインターボ
●排気量:3600cc
●最高出力:408ps/5750rpm
●最大トルク:540Nm/4500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
●最高速:290km/h
●0→100km/h加速:4.5秒

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