昨年は慎重な走りに徹していたロバンペラに勝利が転がり込む
昨年2023年のアクロポリス・ラリー・ギリシャは序盤から大荒れ。本格的なラリーの開幕となる金曜日午前のセクションで、早くもMスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベ、オイット・タナックがウォーターポンプのトラブルでストップ。
土曜日の午後のステージでは、首位に立っていたティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)が大きな穴に右前輪を落としてサスペンションとステアリング系統を壊してそのままデイリタイア。これでトップに立ったセバスチャン・オジェ(トヨタ)も、SS12で左リアをヒットさせて、まさかのデイリタイアとなってしまった。
結果的に土曜日を終えて首位に立っていたのは、選手権ポイントを考えてあえて大きなリスクを犯さず慎重な走りに徹していたロバンペラだった。ロバンペラは翌日曜日のステージも無難に走り切ってシーズン3勝目を達成。2位には同じくトヨタのエルフィン・エバンスが入り、トヨタの1-2フィニッシュとなった。
【参考】2023年 WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果
1位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h00m16.7s
2位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m31.7s
3位:D.ソルド(ヒョンデ i20N ラリー1)+1m35.9s
4位:O.タナック(フォード・プーマ ラリー1 )+4m28.4s
5位:E.ラッピ(ヒョンデ i20N ラリー1)+39.1s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+6m22.3s
7位:A.ミケルセン(シュコダ ファビア RS ラリー2)+9m41.0s
8位:G.グリーンスミス(フォード フィエスタ ラリー2) +9m51.3s
9位:Y.ロッセル (シトロエンC3 ラリー2)+11m07.0s
10位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+11m43.4s
ルート設定や各デイの構成が変更、それがどういう結果となるか
今年のアクロポリス・ラリー・ギリシャは昨年までと同じように、首都アテネの約200km北西に位置するラミアにサービスパークが置かれるが、ルート設定や各デイの構成が大きく変わり、ラリーは6日金曜日の朝からデイ1として競技がスタート。
デイ1はラミアのサービスパークを中心に、北西から南西にかけての山岳エリアで、3本のステージ各2回走行。デイ1は3日間で最長のステージを走行する一日となり、6本のステージの合計距離は135.02kmとなる。
翌日7日土曜日のデイ2は、ステージのエリアが南部のペロポネソス半島の入口に近いシーサイドに移動。デイ2は全部で6本のステージが設定されるが、そのうち2回走行するのはSS9/11のみで、一日の終わりにはスーパーSSが予定されている。デイ2はリエゾン(移動区間)が非常に長く、合計116.23kmのステージを含めた一日の総走行距離は695.64kmにもなる。
ラリー最終日の8日デイ3は、サービスパークを中心に南側のエリアで3本のステージを走行。そのうち、SS14のステージを再走する最終のSS15は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
全15本のステージの合計距離は305.30km、リエゾンも含めた総走行距離は1392.24kmが予定される。
トヨタは、昨年のウイナーであるロバンペラは欠場するが、ここまで6戦に出場し優勝3回(2位3回)と好調なオジェが出場。エルフィン・エバンス、勝田貴元とともに今季7回目の優勝を目指す。
対するマニュファクチャラー選手権首位のヒョンデは、ドライバーズランキングトップのヌーヴィルとタナックの2枚看板に、タフなグラベルを得意とするダニ・ソルドの3人にがワークスエントリーする。