この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第95回目は、スポーティ路線からラグジュアリー路線へと大変身した、マツダ ルーチェ・レガートの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

高級路線へ舵を切ったマツダ入魂の「ミニ キャデラック」

昭和52(1977)年に発表されたルーチェ・レガートは、2代目ルーチェとロードペーサーの中間を埋める車種として登場した事実上の3代目ルーチェといえる。2代目ルーチェがスポーティ路線だったのに対して高級路線をとった。

画像: ロータリーエンジン搭載車も設定されたが、写真はコスモAPに搭載されたものをベースにした2Lの直4SOHCで110psを発生する。トルクフルなエンジンだ。

ロータリーエンジン搭載車も設定されたが、写真はコスモAPに搭載されたものをベースにした2Lの直4SOHCで110psを発生する。トルクフルなエンジンだ。

機種体系は、4ドア ピラードハードトップ(HT)と4ドアセダンの2機種となる。それぞれにロータリー(12A/13B)と、2Lおよび1.8Lの直4SOHCの4種類のエンジンを搭載している。

なかでも4ドア ピラードHTは、厳格な安全基準に合致させるために、ピラーのついたハードトップスタイルをとった。フロントビューは角型タテ2連式ヘッドランプを採用した特徴的なものとなっている。

アクの強いフロントに対してリアはシンプルなデザインとし、視認性向上のためにサイドボディまで大きく回り込ませたコンビネーションランプを配した。「ミニ・キャデラック」という声も聞かれたが、サイズは5ナンバー枠に収まっていた。

ここで主に紹介するルーチェ・レガート2000スーパーカスタムに搭載されたMA型エンジンは1970ccで、アルミ合金製シリンダーヘッドを採用、クロスフロー吸排気、多球型燃焼室、フルトランジスター点火方式など、当時の最先端を行く内容とした。

画像: シックで落ち着いたスタイリングだが、リアランプ周りはちょっといかつさ?を感じさせるところもある。全体的に嫌味のないデザインだ。

シックで落ち着いたスタイリングだが、リアランプ周りはちょっといかつさ?を感じさせるところもある。全体的に嫌味のないデザインだ。

サスペンションはストラット/5リンクリジットだ。ゆったり走ることを目的としているので、ハンドリングはシャープといえないしロールも大きい。それでも適度なアンダーステア傾向を維持する素性の良い操縦性を持っていた。

マツダ ルーチェ・レガート2000スーパーカスタム(LA4型)諸元

●全長×全幅×全高:4575×1690×1390mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1130kg
●エンジン型式・種類:MA・直4SOHC
●排気量:1970cc
●最高出力:110ps/5300rpm
●最大トルク:17.0kgm/3000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175SR14
●新車価格:128万円

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