スピーカーとフィッティングキットの最強コラボレーション
一方、「心地よく聴く」ためのサウンド関連のグレードアップアイテムは、スピーカーからアンプ、車載用のパーツ類など多彩です。
まずは独自の「Open&Smooth」コンセプト(中音域をトゥイーターから再生するという、従来の2ウェイスピーカーの常識を覆す設計思想)に基づいて、カスタムフィットスピーカーシリーズが進化しました。
ポイントのひとつはウーファーの有効振動直径の拡大による低域再生力の強化、トラスバスケットフレームによる深型化による低域再生力の向上です。トゥイーター部は指向特性に広がりを持たせたチタン製バランスドームダイアフラムを採用するとともに、ボールジョント機構によって上下25度、左右22度の範囲でスピーカーの向きを調整できます。
ラインナップとしては、フラッグシップモデルである「Vシリーズ」に1機種(TS-V174S:価格 7万9200円)、ハイグレードモデル「Cシリーズ」に5機種(TS-C1740S/-C1746S/-C1740/-C1640S/-C1640)のほか、ハイレゾ音源の再生にも対応したチューンアップトゥイーターが3タイプ設定されています。
ハイレゾ対応ということで、注目したいのが新しいパワーアンプ「カロッツェリアGM-D2400」。100W×4chのClass D ハイパワーアンプを搭載、小型・省電力設計で手軽に高音質化を実現しました。
車載に当たってこだわりたいのは、音源劣化に直接つながる取付用パーツのグレードアップでしょう。今回、カロッツェリア スピーカーの性能を最大限に引き出すことのできる「高音質インナーバッフルスタンダードパッケージ」を開発(国産各メーカーおよび、アウディ、フォルクスワーゲン車に対応する全8モデル)。音の歪みや共振を排除しながら、低域のレスポンスを高めることでキレの良いサウンドを実現しました。
さらに車種別専用設計によって、抜群のフィット感を誇る「カロッツェリア トゥイーター取付キット」に、ホンダN-BOX用(「UD-K308」)、スズキ スイフト用(「UD-K309」)が新たにラインナップされています。
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低中高、すべての音域がバランスよく響く心地よさ
今回は「体験会」ということで、さまざなハード構成を搭載したデモカーが8台も用意され、それぞれに高品位な音源再生を確かめることができました。
とくに印象的だったのは、スイフトにディスプレイオーディオ「DMH-SF900」を搭載、フロントにカスタムフィットスピーカー「TS-C1740S」をトゥイーターマウンティングキット「UD-K309」とインナーバッフル「UD-K626」でフィッティングさせた上で、パワーアンプ「GM-D2400」を組み合わせた構成。
伸びやかな女性ボーカルとリズミカルでアップテンポな曲調を楽しみながら、同時にほどよく厚みのある低音域のビート感を実感することができました。
先代アルファードにカスタムフィットスピーカー「TS-C1746S」をインナーバッフル「UD-K5313」でトレードインした仕様は、純正ディスプレイオーディオの秘められた才能を確認することができました。
パワーアンプ「GM-D2400」とサウンドチューニングキット「UD-S701」のアシストがあるとはいえ、力強く粒だった音圧と澄みきった中音域、ハイトーンのボーカル部のバランスの良さには、脱帽ものです。
さらにもう1台、ちょっと変化球だけれど興味深かったのが、初代ミラ・ジーノのサウンドグレードアップの提案。こちらはパイオニアの社内コンペで優勝した社員のマイカーで、楽NAVI「AVIC-RF721-DC」とカスタムフィットスピーカー「TS-C1740S」という、比較的カジュアルな構成です。
クルマには軽くデッドニングなどが施されているとのことですが、全音域のバランスがやはりグッド、淀みなく心地よいサウンドを楽しむことができました。古いクルマでも軽自動車でも(失礼かもしれませんが)、意外なほど手軽にリスニングルームとしてグレードアップできるものだと、大変感心した次第です。
選択肢が一気に増えたカロッツェリアの「サウンドワールド」は、まさに必聴!パイオニアとしては今後、一般向けにもリスニング体験する機会を増やす予定、とのことなので、今後の展開についても情報収集をお忘れなく。