FORMULA E OPERATIONS LIMITEDは2024年11月12日、スペイン マドリードで開催されたシーズン11プレシーズンテストにおいて、女性ドライバー限定のテストセッションを開催したことを明らかにしました。F1マシンより3割増し速いという最新GEN3 Evoとともに、新しいシーズンを盛り上げてくれることになりそうです。

プレシーズンテストで最速のGEN3 Evoを初走行

FIAフォーミュラE世界選手権は、世界初の電気自動車によるFIA世界選手権として2014-2015シーズンから始まりました。世界各国の自動車メーカーに電気自動車に向けたイノベーションを加速させるために、モータースポーツプラットフォームを提供しているフォーミュラEは、カーボンニュートラルであることが認証された、唯一のスポーツだといいます。

画像: GEN3 Evoは従来のGEN3より推定2%も性能が向上。モナコサーキットの予選ラップは約2秒、短縮されたという。より強靭かつ空力性能に優れた新型ボディキットなどは、35%のリサイクル素材と持続可能な素材を使用(GEN3と比較して9%アップ)する。(写真はマセラティ MSGレーシングのMaserati Tipo Folgore)

GEN3 Evoは従来のGEN3より推定2%も性能が向上。モナコサーキットの予選ラップは約2秒、短縮されたという。より強靭かつ空力性能に優れた新型ボディキットなどは、35%のリサイクル素材と持続可能な素材を使用(GEN3と比較して9%アップ)する。(写真はマセラティ MSGレーシングのMaserati Tipo Folgore)

2024年12月7日(土)のシーズン11の開幕に先駆けて、その公式プレシーズンテストが2024年11月5日(火)からスペイン マドリードのハラマ・サーキットで開催されました。

4日間、6回に分けて計3時間実施されたテストセッションにおいて選手たちは、累計4731ラップ、およそ1万8512kmを走行。ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が、11月8日午前中の最終セッションで1分27秒461の最速タイムを記録しています。

そんな中、話題となったのが女性ドライバーのみの限定テストセッションです。「ジェンダーによる障壁を取り除き、活躍の機会を提供する」というフォーミュラEの長期戦略に基づいて、選抜された女性ドライバー18人がGen3 Evoで参加しました。

女性限定でのテストセッションは、FIA選手権史上初のこと。どの選手も最新のマシンに初めて乗ったようですが、わずかな時間で見事に乗りこなし、その優れたパフォーマンスを愉しんだそうです。

収集されたデータは本シーズンに向けた課題の解決に活用

プレシーズンテストに選抜された女性ドライバーは、以下のとおりです。日本からは、小山美姫選手(ローラ・ヤマハABT)が参加しました。

画像: 史上初の女性ドライバー限定セッションを終えて、フォーミュラEのCEO ジェフ・ドッズは「テストに参加したドライバー、サポートメンバー、そしてオーディエンスにとっては、モータースポーツにおける真の平等と公平性を目指す長い道のりの始まりに過ぎません」とコメントしている。

史上初の女性ドライバー限定セッションを終えて、フォーミュラEのCEO ジェフ・ドッズは「テストに参加したドライバー、サポートメンバー、そしてオーディエンスにとっては、モータースポーツにおける真の平等と公平性を目指す長い道のりの始まりに過ぎません」とコメントしている。

【公式プレシーズンテスト 女性ドライバー ラインナップ】

●ジャガーTCSレーシング:ジェイミー・チャドウィック、リル・ワドゥー
●タグ・ホイヤー ポルシェ:ガブリエラ・ジルコヴァ、マルタ・ガルシア
●DS PENSKE:ジェス・エドガー、ベイツケ・フィッサー
●日産:アビ・プリング
●アンドレッティ:クロエ・チェンバース、ネレア・マルティ
●エンビジョン・レーシング:アリーシャ・パルモウスキー、アリス・パウエル
●NEOMマクラーレン:ビアンカ・ブスタマンテ、エラ・ロイド
●マセラティMSGレーシング:タチアナ・カルデロン、キャリー・シュライナー
●ローラ・ヤマハABT:小山美姫
●マヒンドラ・レーシング:レナ・ビューラー
●Kiro Race Co:シモーナ・デ・シルベストロ

このうち最速タイムを記録したのは、在F1アカデミーで首位に立つ英国人ドライバーアビ・プリング(日産)。2位にジェイミー・チャドウィック、3位にマクラーレン開発ドライバーでF1アカデミーのレーサーであるビアンカ・ブスタマンテ(NEOMマクラーレン)がつけています。

アビ・ブリング(日産)のコメント

「本当にワクワクするセッションでした。シミュレーターで学んだことを実際のレースで活かし、日産のフォーミュラEレーシングカーを運転するスリルを体験できて素晴らしい気分です。ラップタイムも好調で、とてもうれしいです。タイヤのピーク時には、もっとタイムを縮めることができたと思いますが、全体としては満足のいくパフォーマンスでした。チームの皆さんはとても素晴らしく、すべてを丁寧に説明してくれて、どのような質問にも答えてくれました。新シーズンに向けて日産チームに貢献できたことをうれしく思います。また将来、このレーシングカーに乗れる機会を楽しみにしています」

開幕戦は2024年12月7日(土)、ブラジル サンパウロにて。女性ドライバーたちの走行によって得られたさまざまなデータは、数週間後に控えるサンパウロでの開幕レースの準備を進める各チームが問題点の改善などに活用するそうです。

This article is a sponsored article by
''.