今シーズンから車両規定、ラリー規定が一部変更
2025年のWRCは例年どおりラリー・モンテカルロで開幕するが、カレンダーにスペイン(カナリア島)、パラグアイ、サウジアラビアという3つの新イベントが加わり、昨年13戦から今年は全14戦に拡大して行われる。(11月のラリー・ジャパンの後、最終戦ラリー・サウジアラビアが開催される)
今シーズンの注目ポイントは、ラリー1車両規定が変更され、プラグイン・ハイブリッド・ユニットが搭載されなくなり、吸気リストリクター径が36mmから35mmに絞られたこと。これによりパワーはダウンするが、車両の規定最低重量が従来の1260kgから1180kgへと大幅に引き下げられることにより、昨年までと同様のパワーウェイトレシオは維持され、かえってマシンは軽快で俊敏になる。また今シーズンからハンコックがラリー1車両にタイヤを供給することになった。
スポーティングレギュレーションにも大きな変更があり、土曜日終了時点での順位に対し付与されていたポイントは廃止され、再び、日曜日の最終総合順位に対して与えられるポイントが復活。ただし、日曜日のみの合計タイムによって競われる「スーパーサンデー」と、最終ステージのみの順位に対してポイントが与えられる「パワーステージ」は継続となり、日曜日もエキサイティングな戦いが続くことになる。
なお、日曜日の最終順位に対して与えられるポイントは、1位から10位までに25-17-15-12-10-8-6-4-2-1。スーパーサンデーとパワーステージはトップ5に対しそれぞれ5-4-3-2-1ポイントが与えられる。つまり、ドライバーはひとつのイベントで最大35ポイント獲得することができる。
チャンピオン争いの注目点としては、昨年パートタイム出場だった2022/2023年の世界王者カッレ・ロバンペラ(トヨタ)が全戦出場にカムバックする。セバスチャン・オジェ(トヨタ)は今年もパートタイム出場にとどまるが、トヨタはマニュファクチャラーズタイトルを防衛しながら、ヒョンデに奪われたドライバーズタイトルを奪い返す作戦だ。
もちろんヒョンデは今年こそ昨年逃した2冠達成を狙って、ティエリー・ヌーヴィルとオイッット・タナックの2枚看板に加え、イベントの特徴に応じて適切な3人目のドライバーを投入する。