日本におけるアルカナの存在感は、確かに増している
ルノーのラインナップの中でも、個人的にやけに気になっているモデルがアルカナだ。
高価なプレミアムブランドでなくても、スタイリッシュなクーペタイプのSUVが比較的手頃な価格で選ぶことができるうえに、機構的にも導入時に大いに話題となったF1由来の独自フルハイブリッドシステム「E-TECH FULL HYBRID」が搭載されたことにも大いに関心があったのだ。
データが少々古くて恐縮だが、グローバルでは2020年10月の発売から23年7月までの販売台数は(ルノーサムスン版のXM3を含め)約24万台に達した。日本では22年5月の導入以降、現在までに約2000台が販売されている。
購入理由としては、やはり筆者も惹かれたようにデザインはもちろん、輸入SUVとして唯一のフルハイブリッドであり、輸入SUVでナンバーワンの省燃費性能が評価されたことなどが挙げられる。
「2000台」という数字について、ルノーの関係者はまずまずだと認識しているようだが、少し前までは、いいクルマがいくつもあるのにカングーとR.S.ばかりが目立っていた感のある日本市場において、アルカナも一定の存在感を発揮していることには違いない。
アルピーヌの息吹を感じるインテリア。インフォ機能面なども強化
2022年12月には1.3L直4直噴ターボエンジンとBSGを組み合わせて価格を抑えたマイルドハイブリッドが発売されたものの、販売比率としては先発のフルハイブリッドが圧倒的だという。
そんなアルカナが2024年10月に初のマイナーチェンジを実施。「アルピーヌ」が特徴とするスポーツプレミアムフレンチタッチのエッセンスを反映することで、〝スポーツシック〟な個性をより強調した「esprit Alpine(エスプリ アルピーヌ)」という仕様を新たに導入した。
エスプリ アルピーヌのフロントにはハーフダイヤモンドシェイプが立体的に浮かび上がる斬新なフロントグリルに、表面の凹凸がないフラットデザインの新エンブレムが組み合わされた。
リアにも新エンブレムのほか、ブラック「ARKANA」ロゴ、ブラックエキゾーストフィニッシャー、クリアライトクラスターなどを配してスポーティなイメージを強めている。19インチに拡大された専用デザインの大径ホイールも目を引く。メーカーオプションとしてパノラミックルーフが選べるようになったのも新しい。
TEPレザー(人工皮革)を用いてレザーフリーとしたインテリアも〝スポーツシック〟なデザインで統一。見た目も触感も上々だ。
フロントシートにはアルピーヌロゴとブルーステッチが、ステアリングとドアパネルにはトリコロールのステッチが施されている。
インフォテインメントのタッチスクリーンは9.3インチに拡大され、360度カメラには新たにサイドビュー機能が加わったのも歓迎すべきポイントだ。
価格は、フルハイブリッドが499万円、マイルドハイブリッドが459万円。最近の値上げラッシュを思うと、(このあとにも触れるが)内容が充実したわりにかなり抑えられた価格設定といえそうだ。なお、当面は改良前グレードも併売されるため、実質的には改良後モデルの「追加」に近い販売形態になるという。