電気自動車ながらエンジン車と同等以上の悪路走破性を備える
1979年に初代が登場以来、現行型は2018年に登場した第3世代となるメルセデス・ベンツ Gクラスだが、基本スタイルと類い希なオフロード走破性に変わりはない。2024年の一部改良時に、Gクラスとして初めてのBEV「G580 with EQテクノロジー」が加わった。日本仕様は現在のところ導入記念の「エディション1」のみとなっている。
スタイリングはエンジン車と基本的に変わらないが、中央部が盛り上がったボンネットフードやリアホイールアーチのエアカーテンなどが識別点。また、テールゲートにはスペアタイヤではなく、充電ケーブルや工具などを収納できるスタイリッシュなデザインボックスを背負っている。
インテリアも、丸型のエアアウトレットや助手席側のグリップハンドルなど、Gクラス伝統のデザインを踏襲しているが、デフロック機能のスイッチ周辺などがG580専用に再設計されている。エディション1では前後ともヒーター内蔵のナッパレザー製シートを標準装備し、ラゲッジルームもリアシート使用時で620L、リアシートバックを倒せば最大1990Lと十分に広い。
パワートレーンにはメルセデスの電気自動車としては初の4輪独立モーターを搭載し、4輪それぞれのホイール近くにモーターを配置。システムトータルで587ps(432kW)と1164Nmを発生する。バッテリーの総電力量は116kWhと大容量で、WLTCモード一充電航続距離は530kmを実現している。
4モーターと大容量バッテリーなどの搭載で車両重量は3トンを超えるが、伝統のラダーフレームを強化し、オフロードの走破性はエンジン車と同様に高められている。しかも、その場で方向転換できるGターンなど、4モーターのBEVならではの新機能も備えている。
運転支援機能の「ドライビングアシスタンスパッケージ」をはじめ、各種安全運転支援システムや駐車支援システムなどは、エンジン車と同様に高いレベルで充実している。G580 with EQテクノロジーは、電気自動車になってもGクラス「らしさ」に変わりはないのだ。
メルセデス・ベンツ G580 EQテクノロジー エディション1 主要諸元
●全長×全幅×全高:4730×1985×1990mm
●ホイールベース:2890mm
●車両重量:3120kg
●モーター:交流同期電動機×4
●システム最高出力:432kW(587ps)
●システム最大トルク:1164Nm
●バッテリー総電力量:116kWh
●WLTCモード航続距離:530km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:275/50R20
●車両価格(税込):2635万円