「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マクラーレン MP4-12Cだ。

マクラーレン MP4-12C(2012年:ニューモデル)

画像: ディヘドラルドアを斜め前方に跳ね上げて開けたときの存在感はかなりのもの。PAなどで駐まると写真を撮りに人が寄ってくる…。

ディヘドラルドアを斜め前方に跳ね上げて開けたときの存在感はかなりのもの。PAなどで駐まると写真を撮りに人が寄ってくる…。

マクラーレンのロードカーといえば、1992年に発表されたスーパースポーツカー、マクラーレン F1を思い起こす。このクルマも今回のMP4‐12Cと同じカーボン製のメインフレームを採用していたが、その重量は180㎏だった。だが、MP4‐12Cは75kgまで軽量化を達成した。

MP4‐12Cは、スーパースポーツカーにありがちなゴテゴテした見た目ではなく、艶を感じさせるスタイリングがいい。そして、スーパースポーツカーのお約束ともいえるディヘドラルドアが目を引く。鳥が羽を広げたようなドアだけでもMP4‐12Cは注目度満点だ。やはり、スーパースポーツカーはカッコ良くなくてはいけない。

そしてまず試乗して驚いたのはその「乗り心地」だ。かつてのマクラーレン F1も超低偏平タイヤを装着しながらフェラーリ F40よりも直進性が安定していて驚いた記憶があるが、MP4‐12Cはそれに輪をかけて乗り心地が良いのだ。

その秘密は減衰力をコントロールする「アダプティブ ダンパー」にある。この制御が非常に秀逸だ。さらに走るステージとドライバーの好みによって、「ハンドリング」と「パワートレーン」をセンターコンソールに2個並んだダイヤルスイッチでそれぞれ3段階に設定できる。

ハンドリングとはサスペンションの硬さ設定で、パワートレーンは出力特性や7速SSG(DCT)の制御となる。もちろんトラクションコントロールやスタビリティコントロールのレベルも変わる。3段階とはノーマル/スポーツ/トラックで、トラックはサーキット用と考えていいだろう。

画像: 整然とスイッチ類が並び、航空機のコクピットを連想させるインテリアは、縦長のセンターコンソールでセパレートされる。

整然とスイッチ類が並び、航空機のコクピットを連想させるインテリアは、縦長のセンターコンソールでセパレートされる。

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