ジャガー・ランドローバーは2025年11月28日、2026年1月に開幕するダカール・ラリーで競技デビューする「DEFENDER DAKAR(ディフェンダー ダカール) D7X-R」のリブリー(カラーリングデザイン)を公開した。市販車「DEFENDER OCTA(オクタ)」をベースに世界最難関のラリーレイドへ挑む、新世代ワークスマシンの全貌が明らかになった。
足まわりはビルシュタインと共同開発。冷却性能は大幅強化
サスペンションは市販オクタの運動学を継承しつつ、ビルシュタインと共同開発した専用ダンパーを採用。フロントはシングルコイルオーバー、リアはパラレルツインダンパーという組み合わせで、過酷な砂地の連続衝撃や550L燃料分の重量増にも耐える。

ボディ全体を貫く直線的な色分割が、走行中の砂丘の陰影を連想させるデザイン。補助ライトポッドや外装補強の装着も視覚化。
さらに過酷な高温環境に対応するため、冷却系を大幅に見直している。市販車が採用する3基のラジエーターを1基の大型ユニットに統合し、フロント開口部拡大とエアフロー最適化で冷却能力を引き上げた。
ボンネット形状も砂の侵入を避けるために改良し、粒子フィルターの追加など細部に至るまで砂漠の戦闘に最適化されている。
電子制御面ではラリー専用の制御ユニットを採用し、とくに砂丘でのジャンプ着地時にトルク伝達を自動調整する新開発の「Flight Mode(フライトモード)」を搭載。ドライバビリティと駆動系保護を両立する知能的制御は、このマシンが単なる強化版ディフェンダーではないことを証明している。

タブレット型ナビユニットを並べた戦闘的なレイアウト。軽量化のため室内トリムを極限まで排した、本格競技車ならではの造り。

