軽自動車販売ランキングでつねに上位を占めているスーパーハイトワゴン。数あるモデルの中でも従来のルークスはデザイン性でも走行性能でもスポーティさを特長として販売されてきた。しかし、2025年12月10日にフルモデルチェンジした新型はそうした印象、コンセプトを一新した。(写真:森 浩輔)

日産らしさを深化させる高応答バルブの効能

快適性という意味では走行中の静粛性の高さも高まっているようだ。とくにターボを搭載したグレード「Gターボ」は、NAエンジン搭載車と比較するとその傾向が強い。装着するタイヤはGターボの方がワンサイズ大きい165/55R15となっている(タイヤ銘柄はブリヂストン エコピア EP150で同じ)ため、一般的にはロードノイズも大きくなりがちではあるが、鉄ホイール(155/65R14)を装着したNAエンジン搭載車よりも静かだ。使用エンジン回転領域の違いもあるが、実は剛性を高めに設計されたアルミホイールを採用するため静粛性も高くなっているというのだ。

そのほかにも、フィルムを挟みこんだ遮音タイプのフロントガラスを採用したり、ウエザーストリップを従来よりも広い範囲に設定するなど、全グレードでノイズ対策が強化されている。

画像: サスペンションだけでなく、トレーリングアームのゴムブッシュを強化。前後方向の揺れを押さえるように硬くしつつ、上下方向の硬さは変えず乗り心地を保っているという。

サスペンションだけでなく、トレーリングアームのゴムブッシュを強化。前後方向の揺れを押さえるように硬くしつつ、上下方向の硬さは変えず乗り心地を保っているという。

そう、新型ルークスは広さや全席の快適性を重点課題として開発された。では、走行性能は軽視されたのか。もちろんそんなことはない。そもそも従来モデルはライバルモデルと比較しても高い走行性能を実現するよう開発されており、新型ではそのポジショニングを維持するための新機構が採用されている。そのひとつがカヤバ製の「プロスムース」ダンパーだ。

直進中に段差を踏むような、縦方向の力が加わったときの減衰力は低く、スムーズに動いて乗り心地を良くする。一方でコーナーを曲がるような横力がかかると、ダンパーシリンダー内部の摺動部品によって減衰力を高めてロールを抑制する。高い衝撃吸収性とライントレース性を両立させるプロスムースが、兄弟車の三菱 デリカミニ同様に採用されるものの、ルークス用は独自に「高応答バルブ」を追加している。

プロスムースはロールを抑える効果を持つものの、全高1.8m近いスーパーハイトワゴンゆえに横力がかかり始めたごく初期段階で、若干のふらつき感もあったという。そこで対策を行ったのだ。

高応答バルブつきプロスムースは全グレード標準装備するため効果を比較検証できないが、S字コーナーでハンドルを切り返すようなシーンで、「じわり」とゆったりロールを増していく印象から走行安定性の高さを感じる。これは高速道路だけでなく、低速走行する街中でも体感できるはずだ。新型ルークスのコンセプトは従来モデルと違う・・・とはいえ、日産らしい走行性能は健在だった。

日産 ルークス ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1785mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:990kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:659cc
●最高出力:47kW(64ps)/5600rpm
●最大トルク:100Nm(10.2kgm)/2400-4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・27L
●WLTCモード燃費:19.3km/L
●タイヤサイズ:165/55R15
●車両価格(税込):224万9500円

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