BEVを意識した静粛性の高さが特長
ピレリのフラッグシップモデル「PZero(Pゼロ)」がモデルチェンジを受けて第5世代に生まれ変わった。いやいや、この言い方は誤解を招きかねない。
実はいま、PゼロにはコアモデルのPゼロ以外に、スーパースポーツカーなどでお馴染みのPゼロR、同じスーパースポーツカー用でもサーキット走行に主眼を置いたPゼロ トロフェオ RS、電動化モデル向けのPゼロ Eと、合計で4モデルを数える。このためピレリは「Pゼロファミリー」という言葉を用いているほどだ。
このうち、今回モデルチェンジを受けたのは、プレミアムセグメントのセダンやSUVなどに幅広く採用されているコアモデルのPゼロである。
新型Pゼロは自動車の電動化に対応しつつ、ドライとウエットでバランスのいい性能を発揮。さらにはサーキットテストを通じてハンドリングを改善したほか、制動距離も短縮したという。ちなみにヨーロッパのウエットグリップラベルでは「A」を取得したそうだ。
今回はイタリアのモンツァ・サーキットからコモ湖周辺までメルセデス・ベンツ GLE450dにPゼロ(サイズはフロント275/45R21、リア315/40R21)を装着して走ったが、ソフトで快適な乗り心地なのにダンピングが良好で、イヤな微振動が残らない点に感銘を受けた。また、ロードノイズも低く抑えられていたが、これはタイヤ内部に制音材を配して静粛性を高めるピレリ独自の技術「PNCS」を採用した効果もあったと推測される。

一般道では中核モデルであるPゼロを試した。BEVなどを意識した静粛性の向上が確認できた。
これとは別に、既存モデルのPゼロ RやPゼロ トロフェオRSに試乗するチャンスがあった。
Pゼロ RやPゼロ トロフェオ RSといえば、グリップレベル自体は良好でも、グリップ限界に近づいたことがわかりにくいとの印象をかつては抱いていたが、最近はこの点が改善され、とくにPゼロ Rをライン装着したスーパースポーツカーにサーキットで試乗すると、グリップ力が減少していく過程を事前に知らせてくれる特性に改められたように感じていた。
今回、Pゼロ Rを装着したポルシェ 911カレラ4 GTSとBMW M5にモンツァ・サーキットで試乗して、私の印象がただの勘違いでないと確信できた。とりわけ911 カレラ4 GTSで走行したとき、路面はまだセミウエットだったが、限界に近づくにつれてグリップ力が減っていく過程が手に取るようにわかるため、4WDのスタビリティにも助けられて思い切って振り回すことができた。
一方のPゼロ トロフェオ RS(装着車は911 GT3 RS)は、Pゼロ Rほどではないにせよグリップ力が抜けていく過程がわかりやすくなっていたほか、いかにもトレッドや構造が頑丈そうで、カッチリとして安心感が強いハンドリングを味わえた。
ピレリは最新のシミュレーション技術などを活用し、顧客や自動車メーカーの要望に的確に応えたタイヤづくりを進めるという。


