コンチネンタルがアジア市場に向けに開発したSUV用サマータイヤ「Continental UltraContact UX7(ウルトラコンタクト ユーエックス セブン)」が発売され、その実力を本拠地であるドイツで試乗したのでレポートする。(文:竹岡 圭/Motor Magazine2025年8月号より)

アジア地域に向けてローカライズされたSUV用のタイヤ

誤解を恐れずに言うと、日本でのコンチネンタルタイヤの認知度は一般的にまだ高いとは言えない。しかし、欧州では3台に1台が装着し、中国で50%シェアを確保するなど、世界的に見るととても認知度が高くて多くのユーザー、そして多くの自動車メーカーに選ばれているのだ。

そのコンチネンタルタイヤが、コンパクトSUVやクロスオーバーSUVにピッタリなアジア向けタイヤ「UltraContact UX7(以下、UX7)」をリリース。その試乗をすべく本拠地であるドイツ・ハノーファーを訪れたのだが、まず施設の規模とレベルの高さに圧倒されてしまった。

「市場のために市場でつくる」という理念のもと、路面状況はもちろん温度まで管理して、世界55~60におよぶ仕向け地に向けた開発が行われてきたのである。

もちろん仕向け地によりニーズも異なる。例えばアジアは道路(舗装状況)、気候、気温、運転環境が非常に多様で、こうした要素は他の地域と異なるユニークな点だとコンチネンタルでは認識されている。また、静粛性に強くこだわっている点も特徴的だという。今回試乗したUX7にも、もちろんこうした特性が盛り込まれていた。

画像: 日本では2025年4月に発売されたUltraContact UX7。16〜21インチまでの全29サイズが用意され、価格はオープンプライスとなる。

日本では2025年4月に発売されたUltraContact UX7。16〜21インチまでの全29サイズが用意され、価格はオープンプライスとなる。

まず静粛性で言えば、インナーショルダーのトレッドブロック間に、ノイズブレーカー3.0というブリッジを備えたサイプパターンが採用されているのがポイントとなる。音波が溝を通過するとき、より小さな周波数に分散させて振動を最小限に抑制してノイズが蓄積して車内へ伝わるのを防ぎつつ、さらに非対称パターンを採用することで振動共鳴の低減が図られているという。比較的路面が整ったテストコースでの試乗だったので、実際の路上での印象とは異なるかもしれないが、ノイズが気になるタイヤではないことは感じ取れた。

メイン市場となるアジアの亜熱帯地域ではスコールが、また最近の日本においてはゲリラ豪雨が多く発生することもあり、ウエット性能がかなり重視されている。またSUV用タイヤは未舗装路を走ることも想定したトレッドパターンを採用するため、乗用車用タイヤと比較してタイヤ接地面積が狭くなりがち。そこでハンドリング性能・ブレーキ性能を高めることを目的に、接地面積を広くして駆動力・制動力を効率的に分散させる「X-フォース・マクロブロック」を採用しているのだ。

画像: UltraContact UX7は接地面積が広く、これがブレーキングとコーナーリング性能の向上に大きく貢献している。

UltraContact UX7は接地面積が広く、これがブレーキングとコーナーリング性能の向上に大きく貢献している。

ところが、その反面で大きなブロックは排水性を悪化させやすいという特性も持つ。そこで採用されたのが、パターンブロックの下の水膜が表面サイプに押し込まれると同時に、メイングルーブへの水の排出が加速される独自のチューブシステム「アクア・チャネル」と呼ばれるものだ。これにより、排水性を格段に向上させることができたというのだ。

こうした性能は試乗でシッカリ体感できた。従来モデルにあたるセダン用タイヤ「UC6」を装着してヘビーウエット路面で100km/hからフルブレーキングし、これと同条件で「UX7」を試す、より不利な状況でのテストだったが、UX7は約10mも短い距離で止まることができたのだ。その際にふらつくこともなく、制動力や路面の感覚をドライバーにきちんと伝えているのもお見事だった。今後のコンチネンタルの新作にも注目していきたい。

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