「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2013年1月にラインナップが刷新された「アバルト 500/595」シリーズだ。

アバルト 695 トリブート フェラーリにも試乗

画像: ツーリズモはコンペティツィオーネとホイールやマフラー、シートなどが異なるがパワースペックは同じで、走りに大きな差はない。

ツーリズモはコンペティツィオーネとホイールやマフラー、シートなどが異なるがパワースペックは同じで、走りに大きな差はない。

とにかく走らせてみると、いずれも“痛快”なことこの上なし。それほど突出したスペックではないが、7000rpm近くまで元気良く吹け上がるエンジンが楽しい。エントリー版である500のMTでも十分に楽しめるが、やはり595 シリーズの方がパワフルだ。MTAはパドルにより素早いシフトチェンジが可能で、また駆動力が抜ける時間も短くストレスを感じることもない。

ハンドリングも痛快そのもの。ホイールベースが短く、重心も低くはないので、絶対的なコーナリング性能は高くはないが、だからこそ富士のショートコースぐらいの規模のコースを全開で走らせると楽しい。素直な回頭性と、タックインを駆使してリアタイヤのグリップを操りながら、アクセルで自在に曲がり具合をコントロールしていける。KONIの足まわりを持つ595 シリーズは挙動変化が小さく、リアの流れが穏やかで動きが掴みやすい。FFながら本当にコーナリングを楽しめる。

また、コンペティツィオーネにはハイパフォーマンス エキゾーストシステムが装備され、刺激的なエキゾーストサウンドを楽しませてくれるし、サベルトのシートは本格的なスポーツ走行でもそのまま使えるほど高いホールド性が確保されている。

今回、すでに完売した「アバルト 695 トリブート フェラーリ」にも試乗できた。595 シリーズよりもさらにパワフルな180ps仕様のエンジンにより、やはり直線スピードは圧倒的に高い。その速さに見合うよう与えられた対向ピストンを持つブレンボ製ブレーキは剛性感が高く耐フェード性にも優れていた。

愛らしいデザインの小さな車体に、優れた性能と大きなドライビングプレジャーを凝縮したアバルト 500/595に、大いに魅せられたひとときだった。

画像: 2012年に限定販売されて即完売した、フェラーリとのコラボモデルの695 トリブート フェラーリ。これのみ左ハンドルで、サウンドも最高!

2012年に限定販売されて即完売した、フェラーリとのコラボモデルの695 トリブート フェラーリ。これのみ左ハンドルで、サウンドも最高!

アバルト 595 コンペティツィオーネ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3655×1625×1515mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:1120kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1368cc
●最高出力:118kW(160ps)/5500rpm
●最大トルク:206Nm(21.0kgm)/2000rpm
●トランスミッション:5速AMT
●駆動方式:横置FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・35L
●10・15モード燃費:13.7km/L<29.0>
●タイヤサイズ:205/40R17
●当時の車両価格(税込):339万円
※ツーリズモも主要諸元は共通で車両価格(税込)は319万円

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