サスティナビリティに徹底的に配慮した新時代の自動車工場
マクラーレン・オートモーティブにとって初の量産スポーツカー、MP4-12Cの生産拠点となるイギリス サリー州ウォーキングのMPC(マクラーレン プロダクション センター)が、いよいよ本格稼働を開始した。2012年2月末、筆者はこのMPCの見学と、プロトタイプではなく量産車のMP4-12Cの試乗のためにイギリスへと赴いた。
マクラーレン・グループの本拠地であるMTC(マクラーレン テクノロジー センター)内に昨年2011年秋に完成したMPCの総面積は3万2000平方メートル。2階建てながら高さが抑えられた建屋は、緑に囲まれていることもあり、敷地外からはその存在を確認することすらできない。

「MP4-12C」が組み立てられるMPC(マクラーレン プロダクション センター)。2012年はMP4-12Cが1800台生産される予定。クルマは1台1台がそのクオリティに対する入念なこだわりとともに実に整然と生産されていた。
オペレーティングディレクターを務めるアラン・フォスター氏は、トヨタをはじめとする世界の自動車メーカーの生産部門で働いてきた実績を持つ人物。MPCのコンセプトの段階から立ち上げに参画し、省エネルギーへの配慮、雨水を利用した冷却システムの採用等々、サスティナビリティに徹底的に配慮した新時代の自動車工場をつくり上げた。
内部の景色は、まさにマクラーレンの工場らしい。ベルトコンベアーはなく、車体はすべて手押し車にて移動。部品や工具などの収められる棚は高さ160cmに抑えられ、自動車の生産ラインでは当たり前の天井から吊り下がったツール類もない。遠くまですっきり見渡せることも含めて、労働環境には大いに配慮されている。もちろん、これは将来のライン拡張に対応するためでもある。年内は1800台のMP4-12Cの生産を目指しているMPCだが、生産キャパシティは年間4000台で、モデルと台数の拡大に、柔軟に対応できるのである。
