新たなアイデンティティ「ファントムライティング」
ホンダの高級車ブランドであるアキュラは日本でこそ展開されていないが、北米市場を中心として、中東や中国などでも車両販売を行っている。1986年に北米で開業したアキュラにとって2026年は40周年という節目のタイミングであり、次世代デザインの方向性を示すコンセプトモデルとして「ネクセラ ビジョン」を発表したのだ。
米国カリフォルニア州のアキュラデザインスタジオで開発されたこのモデルは、アキュラ ブランドの基本理念であるチャレンジングスピリットに着想を得て、普遍的な美しさに先進性を融合させた、次世代アキュラのデザイン言語を提案するコンセプトモデルだという。

薄型のテールランプも「A」がモチーフ。リアバンパー下はディフューザー形状となっている。
特徴的なのは「ファントムライティング」と呼ばれるライティングシグネチャーだ。非点灯時にはボディラインに溶け込み、点灯時にのみランプが現れることで、シームレスで彫刻的な面構成を実現する。車両前後にある、三角形をふたつ組み合わせたような光がヘッドライトとテールランプでいずれも極薄、アキュラの頭文字である「A」をモチーフにしたライティングシグネチャーとして、ブランドアイデンティティを表現している。
このライティングシグネチャーは、数年以内に発売予定の次期RDX(ブランド初の2モーターハイブリッドを搭載した、ミッドサイズSUV)を皮切りに、アキュラの次世代ラインナップに採用されていく予定だ。

点灯時にのみランプが現れる「ファントムライティング」と呼ばれるライティングシグネチャーが特徴的。
マットチタンのボディカラーで仕上げられたエクステリアは、ワイド&ローの力強いスタンスに加え、フロントタイヤの中心からダッシュボードまでの距離、つまり「ダッシュ to アクスル」を長く取ることで、パフォーマンスカーならではの伸びやかなプロポーションを実現。ワンモーションのキャビンに、上方へ大きく開く特徴的なデュアルヒンジ式バタフライドアが、アキュラのパフォーマンスDNAを大胆に印象づけている。
リアエンドにはアクティブ リアスポイラーを備え、22インチのセンターロックホイールの内側には、ブレンボ製のカーボンセラミックブレーキが覗く。
インテリアは、ドライバーとの一体感と広がり感を高次元で融合。ブラック&ホワイトを基調とした空間に鮮やかなピンクのアクセントカラーが配されて、印象的なコントラストを創出している。シートは固定式で、ドライビングポジションはステアリングホイールとペダルの位置で調整する。鍛造カーボン素材(細かく裁断されたカーボン繊維を圧縮成形し、マーブル模様を成す)に加え、再生ポリエステルを使用したアルカンターラや、サーキュラーエコノミーに寄与する本革素材のサーキュレザー、リサイクルアルミニウムなどのサスティナブル素材を採用し、環境に配慮した次世代のプレミアム価値を創造している。

ブラック&ホワイトを基調とした空間に鮮やかなピンクを配したインテリア。
このアキュラ ネクセラ ビジョンは、米国カリフォルニア州で開催されるクルマの祭典「モントレー カーウイーク」のイベント「ザ・クエイル」と「ペブルビーチ コンクール デレガンス」で展示された。なお、コンセプトカーゆえ、サイズやパワートレーンなどのスペックは発表されていない。
ホンダは2026年3月に電動化戦略を大幅に見直し、0シリーズをはじめとするBEV開発の一部を中止したが、2022年に発表した「スペシャルティ」と「フラッグシップ」という2台の電動スポーツモデルのうち、前者のスペシャルティは2025年にプレリュードとして登場。一方の後者、次期NSXではないかと言われるフラッグシップについて、開発中止とは謳われていない。
このネクセラ ビジョンがそのまま次期NSXになるとは思われないが、このデザイン言語が新たなアキュラ車や次期NSXに用いられることは間違いない。ホンダおよびアキュラの、次なる一手に期待しよう。
Acura NEXERA Vision Concept
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