2026年8月21日金曜日、F1第12戦オランダGPが首都アムステルダム近郊のザントフォールト・サーキットで開幕する。F1グランプリはここからシーズン後半戦を迎える。各チーム、どんな戦略で挑むのか、ホンダの新スペックのパワーユニット投入にも期待がかかる。なおオランダGPは初めて、スプリントフォーマットで行われる。

勢力図は変わりつつある中で迎えるシーズン後半戦

2026年シーズンの序盤戦、メルセデスが圧倒的な速さでグランプリをリードしたが、前半戦の終盤になって少し状況が変わってきた。

シーズン前半の最終戦、前戦第11戦ハンガリーGPではマクラーレンのランド・ノリスが優勝。2位にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが入り、メルセデスのキミ・アントネッリは3位、ジョージ・ラッセルはスタートのミスを挽回し切れず7位に終わった。

優勝したノリスは予選で今季メルセデス以外では初めてポールポジションを奪い、決勝でも他を圧倒するペースで今季初勝利を飾った。

シーズンはまだ折り返し地点に過ぎず、シーズン後半戦が前半戦とは大きく異なる状況になることもあり、後半戦の緒戦となる今週末のオランダGPに大きな注目が集まっている。

画像: 前戦ハンガリーGPの表彰台。マクラーレン勢が圧倒的なレースペースで先行、ピアストリはギアボックストラブルでストップしたが、ノリスが快勝。メルセデスはアントネッリの3位がやっとだった。

前戦ハンガリーGPの表彰台。マクラーレン勢が圧倒的なレースペースで先行、ピアストリはギアボックストラブルでストップしたが、ノリスが快勝。メルセデスはアントネッリの3位がやっとだった。

【参考】2026年F1第11戦ハンガリーGP決勝 結果

1位 1 L.ノリス(マクラーレン)70周
2位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル・RBPTフォード)+15.080s
3位 12 K.アントネッリ(メルセデス)+18.728s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+23.840s
5位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+24.540s
6位 6 I.ハジャー(レッドブル・RBPTフォード)+55.488s
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)+57.503s
8位 30 L.ローソン(レーシングブルズ・RBPTフォード)+1L
9位 27 N.ヒュルケンブルグ(アウディ)+1L
10位 41 A.リンドブラッド(レーシングブルズ・RBPTフォード)+1L
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13位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)+1L
14位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)+1L

【参考】2026年F1ドライバーズランキング(第11戦終了時)

1位 12 K.アントネッリ(メルセデス)219
2位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)169
3位 63 G.ラッセル(メルセデス)160
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)138
5位 1 L.ノリス(マクラーレン)128
6位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル)109
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)92
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19位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)1
−位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)0

【参考】2026年F1コンストラクターズランキング(第11戦終了時)

1位 メルセデス 379
2位 フェラーリ 307
3位 マクラーレン 220
4位 レッドブル 177
5位 レーシングブルズ 66
6位 アルピーヌ 61

注目はフェラーリやマクラーレン、レッドブルがメルセデスとどう戦うかだが、オランダGPでのキーパーソンはやはり母国グランプリに挑むマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だろう。2026年で開催契約が切れるオランダGPだけに、フェルスタッペンファンの熱狂的な声援は例年以上となりそうで、スタンドはオレンジ色のウェアを身にまとった「オレンジ・アーミー」で埋め尽くされそうだ。

タイヤに大きな垂直方向および横方向の力が加わるサーキット

オランダGPが行われるザントフォールト・サーキット(Circuit Zandvoort)は、1952年に初めてF1グランプリが開催された伝統のあるコースで、ここで数々の名勝負が繰り広げられてきた。2021年のF1グランプリ復活の際にコースは近代化されたが、ドライバーに高い技量を要求する本格的なチャレンジングサーキットという個性は失っていない。

全長4259mと比較的短いコースに14のコーナーが配された曲がりくねったレイアウトが特徴で、名物コーナー「タルザン」には傾斜の強いバンクも設けられる。F1ドライバーにザントフォールトの印象を聞くと、「とにかく速い」「かなりヤバい」「クレイジー」「オールドスクール」「起伏に富んでいる」といった言葉が返ってくる。

このコースではタイヤに大きな垂直方向および横方向の力が加わるため、各チームはマシンのセットアップを慎重に決めることが求められる。必要とされるダウンフォースは強く、コース幅は狭い上に実質的にストレートは1本しかないため、オーバーテイクが難しい。

もうひとつのポイントは風。ザントフォールト・サーキットは北海の海岸線に位置するビーチリゾート近くにあるため、砂がコースに吹き付ける。もともと路面グリップは高くないが、この風によってグリップは日によって変化するだけでなく、ときには同じ日のセッション間で変わることもある。

オランダGPを特別なものにしているのは、この波乱要素たっぷりのサーキットそのものだけではなく、開催地を包み込む独特の文化と熱狂もそのひとつ。コース周辺の砂丘までオランダを象徴するオレンジ一色に染め上げられ、オランダ国旗やフェルスタッペンを応援するフラッグが掲げられ、サーキット全体がまるでF1と音楽フェスティバルを融合したような雰囲気に包まれる。いつものF1の一戦とはひと味違う、国を挙げた祝祭のようなグランプリだ。

画像: アムステルダム近郊の北海沿岸に位置するザントフォールト・サーキット。複雑なアンジュレーションや大きな負担がかかるバンクがあり、タイヤが熱を持ちやすい。

アムステルダム近郊の北海沿岸に位置するザントフォールト・サーキット。複雑なアンジュレーションや大きな負担がかかるバンクがあり、タイヤが熱を持ちやすい。

2025年はマクラレーン同士の一騎討ちからピアストリが優勝

昨年2025年のオランダGPはシーズン前半の勢いそのままにマクラーレン同士の一騎討ちとなり、オスカー・ピアストリが優勝。2位にレッドブルのマックス・フェルスタッペンが入ったが、マクラーレンとレッドブルの速さの違いは明らかだった。

2番グリッドからピアストリを追いかけたチームメイトのランド・ノリスは、レース終盤、白煙を吐きながらコース上にストップ。痛恨のリタイアとなった。

画像: 昨年のオランダGPを制したマクラーレンのオスカー・ピアストリ。ポールポジションからスタートし、ファステストラップも記録、スタートからチェッカーフラッグまで首位を譲らない完勝だった。

昨年のオランダGPを制したマクラーレンのオスカー・ピアストリ。ポールポジションからスタートし、ファステストラップも記録、スタートからチェッカーフラッグまで首位を譲らない完勝だった。

画像: 昨年のオランダGPのタイヤ戦略。スタートから3種類のコンパウンドすべてが選択され、クラッシュやリタイアによる度重なる中断もあって最後まで先が読めない展開となったが、3種類すべてのコンパウンドが競争力を示した。

昨年のオランダGPのタイヤ戦略。スタートから3種類のコンパウンドすべてが選択され、クラッシュやリタイアによる度重なる中断もあって最後まで先が読めない展開となったが、3種類すべてのコンパウンドが競争力を示した。

【参考】2025年F1第15戦オランダGP決勝 結果  

1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス ) 72周
2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+1.271s
3位 6 I.ハジャー(レーシングブルズ・ホンダRBPT)+3.233s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)+5.854s
5位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス)+6.327s
6位 87 O.ベアマン(ハース・フェラーリ)+9.044s
7位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+9.497s
8位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+11.709s
9位 22 角田裕毅(レッドブル・ホンダRBPT)+13.597s
10位 31 E.オコン(ハース・フェラーリ)+14.063s

ピレリの分析「スプリントフォーマットの採用でタイヤの使い方がポイントに」

タイヤを供給するピレリは、オランダGP開幕を前に「昨年と同様、C2、C3、C4の3種類のコンパウンドを供給します。昨年はセーフティカーなどの導入にも助けられ、2ストップが中心となり、レースでは用意された3種類すべてのコンパウンドが使用されました。今年はスプリントフォーマットが採用されますが、日曜日の決勝ではハード(C2)がベースとなる一方、土曜日のスプリントでは、よりソフトな2種類のタイヤが有効な選択肢となると予想されます。タイヤの劣化は熱によるデグラデーションが心配されますが、8月下旬のザントフォールトでは気温が20度を超えることは珍しく、むしろ雨がポイントになるかもしれません」と分析している。

画像: オランダGP開幕を前にピレリが公開した分析データ。

オランダGP開幕を前にピレリが公開した分析データ。

さて2026年はどんなレースとなるのか。第12戦オランダGPは8月21日12時30分(日本時間19時30分)から始まるフリー走行で開幕する。

2026年F1第12戦オランダGP タイムスケジュール

フリー走行:8月21日12時30分〜13時30分(日本時間19時30分〜20時30分)
スプリント予選:8月21日16時30分〜17時14分(日本時間23時30分〜24時14分)
スプリント(24周):8月22日12時〜13時(日本時間19時〜20時)
予選:8月22日16時〜17時(日本時間23時〜24時)
決勝(72周):8月23日15時〜(日本時間22時〜)

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