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ダットサン フェアレディ1500<SP310型/1962年(昭和37年)>
昭和37(1962)年に登場したフェアレディ1500は、ダットサン スポーツ1000(S211)や初代ダットサン フェアレデー(フェアレディではない)1200(SP210)の後継機であり、事実上国産初の本格スポーツとして知られる。ダットサン210をベースに開発された先代SP210型の発展型というより、欧州のライトスポーツに比肩する走行性能を念頭に開発された初めてのモデルというべきだろう。
量販が望めないスポーツカーを量産メーカーが作る場合、自社セダンのシャシに軽量ボディと強力なエンジンを搭載することが多い。フェアレディ1500の場合もSP310型の型式名からもわかるように、P310型ブルーバードをベースに開発されたものだ。
しかし、スポーツカーとして世界が認める基本性能を実現するため、多くの仕様変更が施されている。オープンボディの剛性を高めるため、閉断面のラダーフレームはクロスメンバーで補強され、スポーツカーらしい切れの良いハンドリングを実現するため、前:ダブルウイッシュボーン/後:リーフ リジッドのサスペンションも、スプリングとダンパーが強化されている。ステアリングギアは旧世代のカム&レバーだが、ギア比が14.8と速いうえ操舵力が軽いので、峠道では同クラスの欧州スポーツに勝る軽快感を示した。

欧州のスポーツカーに比肩する走りを目標に、シャシまわりの剛性を大幅に強化。その性能はとくに北米で高く評価された。
心臓部ともいえるエンジンは、セドリック用の1.5L(G型/71ps)が選択されている。G型は日産が初めて独自開発したエンジンで、昭和35(1960)年に初代セドリック30型でデビューしたばかりの新鋭機だ。OHVながらショートストロークタイプで最高出力を5000rpmで発生する高速型という点でもスポーツカーの心臓にふさわしかった。
フェアレディ1500用はこれをベースにキャブレター(日立SUに換装)、高速型カムプロファイル、バルブスプリングのダブル化、コンロッドメタル材質変更などのチューニングを施し、連続高速回転に対応している。出力値自体は変わらないが、車両重量が870kgと軽いので、パワーウエイト レシオは12.25kg/psと当時のトップレベル。当然加速性能も素晴らしく、モーターマガジン誌のテストでは20秒が壁といわれた0→400mを19.7秒で走り切った。
0→100km/h加速も17.1秒を計測。当時の村山テストコースでは国産車の多くが0→80km/hまでしか計測できなかったことを考えると、次元が違う速さだった。軽量ボディを得てファイナルギア比を3.889にハイギアード化できたため、最高速度は150km/h(カタログ値)。100km/hで連続走行できるのが高速車と言われた時代だから、これは飛びぬけた数字だった。

1.5LのG型エンジン。写真は1963年にSUキャブレターを2連装して80psにパワーアップしたもの。
もうひとつの特徴がキャビンだ。運転席に座ると垂直に近いステアリングホイールの向こうに、4眼メーターの機能的なインパネが展開する。メーターは右から、燃料/水温コンビ、回転計(6000rpmスケール。5500rpmからレッド表示)、速度計(180km/hスケール)、時計で、とくに機械式回転計の存在がスポーツを主張した。シフトはセンタートンネルから斜めに生えたレバーで2-4速にシンクロが付くトランスミッション(セドリック用)を操作する。
フェアレディ1500は、昭和38年5月に開催された第1回日本グランプリに出走。B-IIクラスでトライアンフTR4やMGBを抑えて優勝し、その名を一気に高めた。そのときのマシンが輸出用のSUツインキャブ仕様だったことから、同じマシンが欲しいという声が多くなり、同年6月にはSUツインキャブを標準型に設定。同時に圧縮比を8.0から9.0にアップ、燃焼室およびピストン形状変更、インテークバルブ径拡大、エキゾーストマニホールドを4-1から4-2-1タイプに変更などの改良が施され、最高出力は80psに向上している。
トランスミッションもクロスレシオに改めた結果、最高速は155km/h(カタログ値)に、0→400m加速は18秒台に向上。車両価格は3万円高の88万円だったから、コストパフォーマンスの高さも含め、1.5Lクラスのライトスポーツとして世界中から注目されることになった。
ダットサン フェアレディ1500 主要諸元
●全長×全幅×全高:3910×1495×1275mm
●ホイールベース:2280mm
●車両重量:870kg
●エンジン:直4 OHV
●総排気量:1488cc
●最高出力:71ps/5000rpm
●最大トルク:11.5kgm/3200rpm
●燃料供給装置:SUキャブレター
●トランスミッション:4速MT
●駆動方式:FR
●タイヤサイズ:5.60-13 4PR
●当時の車両価格:85万円


