2026年8月27日〜8月30日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・デル・パラグアイが南部の都市エンカルナシオンを起点としたグラベル路面で開催され、トヨタのサミ・パヤリが優勝。2位にはヒョンデのヘイデン・パッドン、3位にもヒョンデのアドリアン・フルモーが入った。チャンピオンを狙う勝田貴元(トヨタ)はSS1で大クラッシュしてデイリタイア、再スタート後の日曜日のSS21でも転倒を喫して痛恨の無得点に終わった。

魔の金曜日トップドライバーが軒並みトラブルで後退

南米2連戦の初戦ラリー・デル・パラグアイ、その競技初日となる金曜日は、稀に見る大荒れの展開となった。

ラリー前からサファリ並みのラフロードにトラブル続発の予想があったこの一戦で、まず犠牲になったのは前日のシェイクダウンでベストタイムをマークしていた勝田貴元。SS1のスタート直後に転倒クラッシュを喫し、いきなりデイリタイアとなってしまう。

同じステージではセバスチャン・オジェ(トヨタ)とティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)がパンクを喫してタイムロス。ヌーヴィルはサスペンションにダメージを負ってステージフィニッシュ後にデイリタイア。オジェもその後、SS3でサスペンションを壊してデイリタイアとなってしまった。

そのSS3では、SS1とSS2で連続ベストを刻んでいたオリバー・ソルベルグもパワーダウンとパンクに見舞われて大きく後退。チームメイトのエルフィン・エバンスとサミ・パヤリもタイヤ剥離のトラブルでこちらもタイムロス。ヒョンデのアドリアン・フルモーもパンクを喫してステージ中にタイヤ交換と、トップドライバーが軒並みトラブルに見舞われる異例の展開となった。

SS3を終えトップに立っていたのはヒョンデ「第3の男」ヘイデン・パッドン。2番手にはMスポーツ・フォードのジョシュア・マカリアンがつけた。パッドンはそのままSS5まで首位をキープするも、こちらもSS6でパンク。午後に入ってペースが上がったエバンスが一気に首位に立つ。

ところがそのエバンスも、次のSS7で今度はリアタイヤの剥離に見舞われて3番手までポジションダウン。これでパヤリが首位に立った。

画像: 大波乱となったラリー初日。サミ・パヤリ(トヨタ)は自身もタイヤ剥離のトラブルでタイムをロスしたが、そこから着実に追い上げて、初日を首位で終えた。

大波乱となったラリー初日。サミ・パヤリ(トヨタ)は自身もタイヤ剥離のトラブルでタイムをロスしたが、そこから着実に追い上げて、初日を首位で終えた。

大きなトラブルを免れたパヤリが破竹の3連勝達成

今季抜群の安定感を誇るパヤリは、ここからが堅実だった。初日金曜日に残ったSS8を4番手タイムで慎重に走り抜けると、翌土曜日からは2番手のパッドンとの差だけを意識しながら、ベストタイムを狙うことなく見事にペースをコントロール。そのまま20秒あまりの差を維持して、日曜日の最終パワーステージまで走り切った。

一方、ポイントリーダーのエバンスは、金曜日のタイヤ剥離のトラブルで後退した後3位につけていたが、日曜日のSS18でフルモーにかわされて4位に後退。最終的にはフォルモーと5.1秒差の4位でラリーを終えた。それでもパワーステージでの4番手タイムと「スーパーサンデー」5位で貴重なボーナスポイントを獲得し、なんとかポイントリーダーの座を守った。

WRC史上初となる初優勝からの3連勝を達成したパヤリは、ランキングトップのエバンスとの差を30点から20点に縮めることに成功。残り3戦で逆転タイトルの目が出てきた。

無得点となった勝田はランキング4位まで後退、エバンスとの差は56点まで広がって厳しい状況となった。

画像: ラリー・デル・パラグアイの表彰台。トヨタのTGR-WRT2からエントリーしたサミ・パヤリが優勝。2位、3位にヒョンデのヘイデン・パッドン、アドリアン・フルモーが入った。

ラリー・デル・パラグアイの表彰台。トヨタのTGR-WRT2からエントリーしたサミ・パヤリが優勝。2位、3位にヒョンデのヘイデン・パッドン、アドリアン・フルモーが入った。

画像: ラリー・デル・パラグアイで今季3勝目をあげたサミ・パヤリ(トヨタ)。第9戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を飾って以来、3連勝を達成。チャンピオンの有力を候補に名乗りをあげた。

ラリー・デル・パラグアイで今季3勝目をあげたサミ・パヤリ(トヨタ)。第9戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を飾って以来、3連勝を達成。チャンピオンの有力を候補に名乗りをあげた。

WRCの次戦第12戦ラリー・チリ・ビオビオは、1週間のインターバルをおいて、9月10日〜13日、同国中部ビオビオ州の州都「コンセプシオン」を中心としたグラベル路面で開催される。太平洋を見渡す森林地帯に設定されるコースは中高速のステージが大部分を占め、路面は全体的にスムーズだが、タイヤの摩耗に厳しいセクションも多くある。(文:新村いつき)

2026年 WRC第11戦ラリー・デル・パラグアイ リザルト

2026年 WRC第11戦ラリー・デル・パラグアイ 結果

1位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h13m28.5s
2位:H.パッドン(ヒョンデ i20N ラリー1)+25.8s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+40.0s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+45.1s
5位:O.ソルベルグ (トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m57.0s
6位:J.マカリアン(フォード・プーマ ラリー1)+4m19.0s
7位:D.ドミンゲス (トヨタ GRヤリス ラリー2)+7m40.5s
8位:G.グリーンスミス (トヨタ GRヤリス ラリー2)+8m03.2s
9位:A.ガランティ (トヨタ GRヤリス ラリー2)+10m23.0s
10位:T.ジル (シュコダ・ファビアRSラリー2)+10m36.9s
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リタイア:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)

2026年 WRC第11戦ラリー・デル・パラグアイ スーパーサンデー 結果

1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)24m30.1s
2位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+0.0s
3位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)+7.6s
4位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+9.1s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+17.5s

2026年 WRCドライバーズランキング(第11戦終了時)

1位:E.エバンス(トヨタ)216
2位:S.パヤリ(トヨタ)196
3位:O.ソルベルグ(トヨタ)175
4位:勝田貴元(トヨタ)160
5位:A.フルモー(ヒョンデ)149
6位:S.オジェ(トヨタ)148
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)129

2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第11戦終了時)

1位:トヨタ 554
2位:ヒョンデ 381
3位:Mスポーツ・フォード 138

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