魔の金曜日トップドライバーが軒並みトラブルで後退
南米2連戦の初戦ラリー・デル・パラグアイ、その競技初日となる金曜日は、稀に見る大荒れの展開となった。
ラリー前からサファリ並みのラフロードにトラブル続発の予想があったこの一戦で、まず犠牲になったのは前日のシェイクダウンでベストタイムをマークしていた勝田貴元。SS1のスタート直後に転倒クラッシュを喫し、いきなりデイリタイアとなってしまう。
同じステージではセバスチャン・オジェ(トヨタ)とティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)がパンクを喫してタイムロス。ヌーヴィルはサスペンションにダメージを負ってステージフィニッシュ後にデイリタイア。オジェもその後、SS3でサスペンションを壊してデイリタイアとなってしまった。
そのSS3では、SS1とSS2で連続ベストを刻んでいたオリバー・ソルベルグもパワーダウンとパンクに見舞われて大きく後退。チームメイトのエルフィン・エバンスとサミ・パヤリもタイヤ剥離のトラブルでこちらもタイムロス。ヒョンデのアドリアン・フルモーもパンクを喫してステージ中にタイヤ交換と、トップドライバーが軒並みトラブルに見舞われる異例の展開となった。
SS3を終えトップに立っていたのはヒョンデ「第3の男」ヘイデン・パッドン。2番手にはMスポーツ・フォードのジョシュア・マカリアンがつけた。パッドンはそのままSS5まで首位をキープするも、こちらもSS6でパンク。午後に入ってペースが上がったエバンスが一気に首位に立つ。
ところがそのエバンスも、次のSS7で今度はリアタイヤの剥離に見舞われて3番手までポジションダウン。これでパヤリが首位に立った。

大波乱となったラリー初日。サミ・パヤリ(トヨタ)は自身もタイヤ剥離のトラブルでタイムをロスしたが、そこから着実に追い上げて、初日を首位で終えた。
大きなトラブルを免れたパヤリが破竹の3連勝達成
今季抜群の安定感を誇るパヤリは、ここからが堅実だった。初日金曜日に残ったSS8を4番手タイムで慎重に走り抜けると、翌土曜日からは2番手のパッドンとの差だけを意識しながら、ベストタイムを狙うことなく見事にペースをコントロール。そのまま20秒あまりの差を維持して、日曜日の最終パワーステージまで走り切った。
一方、ポイントリーダーのエバンスは、金曜日のタイヤ剥離のトラブルで後退した後3位につけていたが、日曜日のSS18でフルモーにかわされて4位に後退。最終的にはフォルモーと5.1秒差の4位でラリーを終えた。それでもパワーステージでの4番手タイムと「スーパーサンデー」5位で貴重なボーナスポイントを獲得し、なんとかポイントリーダーの座を守った。
WRC史上初となる初優勝からの3連勝を達成したパヤリは、ランキングトップのエバンスとの差を30点から20点に縮めることに成功。残り3戦で逆転タイトルの目が出てきた。
無得点となった勝田はランキング4位まで後退、エバンスとの差は56点まで広がって厳しい状況となった。

ラリー・デル・パラグアイの表彰台。トヨタのTGR-WRT2からエントリーしたサミ・パヤリが優勝。2位、3位にヒョンデのヘイデン・パッドン、アドリアン・フルモーが入った。

ラリー・デル・パラグアイで今季3勝目をあげたサミ・パヤリ(トヨタ)。第9戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を飾って以来、3連勝を達成。チャンピオンの有力を候補に名乗りをあげた。
WRCの次戦第12戦ラリー・チリ・ビオビオは、1週間のインターバルをおいて、9月10日〜13日、同国中部ビオビオ州の州都「コンセプシオン」を中心としたグラベル路面で開催される。太平洋を見渡す森林地帯に設定されるコースは中高速のステージが大部分を占め、路面は全体的にスムーズだが、タイヤの摩耗に厳しいセクションも多くある。(文:新村いつき)
2026年 WRC第11戦ラリー・デル・パラグアイ リザルト
2026年 WRC第11戦ラリー・デル・パラグアイ 結果
1位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h13m28.5s
2位:H.パッドン(ヒョンデ i20N ラリー1)+25.8s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+40.0s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+45.1s
5位:O.ソルベルグ (トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m57.0s
6位:J.マカリアン(フォード・プーマ ラリー1)+4m19.0s
7位:D.ドミンゲス (トヨタ GRヤリス ラリー2)+7m40.5s
8位:G.グリーンスミス (トヨタ GRヤリス ラリー2)+8m03.2s
9位:A.ガランティ (トヨタ GRヤリス ラリー2)+10m23.0s
10位:T.ジル (シュコダ・ファビアRSラリー2)+10m36.9s
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リタイア:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)
2026年 WRC第11戦ラリー・デル・パラグアイ スーパーサンデー 結果
1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)24m30.1s
2位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+0.0s
3位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)+7.6s
4位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+9.1s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+17.5s
2026年 WRCドライバーズランキング(第11戦終了時)
1位:E.エバンス(トヨタ)216
2位:S.パヤリ(トヨタ)196
3位:O.ソルベルグ(トヨタ)175
4位:勝田貴元(トヨタ)160
5位:A.フルモー(ヒョンデ)149
6位:S.オジェ(トヨタ)148
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)129
2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第11戦終了時)
1位:トヨタ 554
2位:ヒョンデ 381
3位:Mスポーツ・フォード 138




