もう一台、車があればと思っても、置き場所は増やせないし、免許は普通免許だけ。原付やミニカーでは非力さに踏み切れなかった二台目探しに、ダイゾーの電動トライク「NEO-ONE」というひとつの答えがある。出力3kWの発進とヒルホールドコントロールで、坂も怖くない。価格は97万9000円。

文: 石川順一
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原付でもミニカーでもない、EVトライクという選択肢

家族の車が使われている日に限って、ちょっとした買い物や送り迎えが重なる。そんなとき、もう一台あればと思う。ただ、駐車スペースはもう増やせないし、免許は普通免許だけ。となると選択肢に挙がるのは原付やミニカーだが、パワー不足や積載量の心もとなさに、なかなか踏み切れずにいた人も少なくないだろう。そんな二台目探しに、ダイゾーの電動トライク「NEO-ONE」というひとつの答えがある。

画像: 原付でもミニカーでもない、EVトライクという選択肢

坂で下がらない、というだけで使い勝手は変わる

運転免許は普通免許のままでよく、車検も車庫証明も不要。カギを握るのは出力3kWのモーターと、坂道発進で車体が下がらないよう支えるヒルホールドコントロール。原付やミニカーで感じていた坂道への頼りなさを、まとめて解消してくれる一台だ。

画像: 坂で下がらない、というだけで使い勝手は変わる

傾斜15%程度の急な坂であっても、大人2人を乗せた状態で坂道発進からそのまま上りきれるほどパワフル。足回りも固めのセッティングで、動き出しの加速は機敏。信号待ちからの発進も、坂の途中での再スタートも、もたつかずに前に出られる。

たとえば、急坂を上った先にある、片道1.8km・往復3.6kmの大きなスーパーへの買い物。これまでは家族の車が空くのを待つか、積み切れない原付や非力なミニカーでは心もとないと見送るかのどちらかだったこの用事も、ヒルホールドと3kWの発進のおかげで、迷わず自分の一台で行ける用事に変わる。行きたいときに、待たずに行ける。それだけのことができるだけでも暮らしはグッと良くなる。

買い物という荷物の悩みも、ついでに片付く

3人乗りとはいえ、成人2人が横並びで座る後部ベンチシートは全幅1150mmと最小限。体格の良い2人で乗ると「満員電車状態」になる。大人1人か小学生の子ども2人を乗せる分には十分だが、基本は後部座席を荷物置きとして使うほうが向いている。

原付の荷台やミニカーの限られた積載量では運びきれなかった買い物も、後部座席にまとめて置けるだけのスペースは十分。後部シート全体に行き渡らせることができるシートベルトも備えているので、簡易的な固定も可能だ。運転席にはドリンクホルダーやUSBポートも完備。買い物帰りの飲み物1本を置く場所があるというだけで、荷物を抱えた帰り道も快適になる。

バイクに乗ったことがなくても、操作に迷わない

運転席にはバイクのようにまたいで座る跨り式シートとバーハンドルが備えられており、操作感覚はバイクに近い。とはいえ、安全や快適性への配慮も抜かりない。

画像: バイクに乗ったことがなくても、操作に迷わない

運転席のシートは前後10cm程度動かせるうえリクライニングもでき、クルマのように無理のない姿勢に整えられる。それに3点式シートベルトも備わっているので、いざというときも安心だ。ちなみに安全を考えるならヘルメットも欲しいところだが、法令上は着用義務はない。そこはどこまで安全意識を向けるかで考えればいい。

起動は今や珍しくなったメカニカルキー。キーをキーシリンダーに差し込んでグッと回して走り出す、そんなノスタルジーにも浸れる。

平地での走りに関してはどうかというと、坂道での力強さとは打って変わってモーターの効き方は「マイルド」に調整されている。急な発進を抑える方向の作り込みと見られ、スロットルを大きく開けても反応は穏やかだ。

加えてブレーキを握るとモーターへの電力供給が切れる仕組みのため、AT車のようなクリープ現象、ブレーキを緩めると車体がじわじわ前に出る感覚は起きない。後退時は標準装備のバックカメラがメーター画面に表示されるため、駐車も簡単だ。クルマともバイクとも違うこの乗り物に初めて乗る人でも安心して運転できる。

側面が開放されているため視界も良く、バイクのような風を感じる爽快さが味わえるが、問題になるのは雨の日。それでもNEO-ONEなら心配無用だ。車体には専用のレインガードが付いており、使わないときは上部に巻き上げてしまえる。ルーフもあるので、急な雨に降られてもそのまま目的地まで不安なく向かえる。

画像: 巻き上げ式のレインガードを下ろすだけで、雨の日も快適になる。

巻き上げ式のレインガードを下ろすだけで、雨の日も快適になる。

充電は思うほど手間じゃない

充電は家庭用コンセントに専用ケーブルをつないでおくだけで、100Vなら6〜7時間、200Vなら3〜4時間ほどで満充電になる。ただし、駐車スペースの近くに屋外用のコンセント(100Vか200V)を用意しておくか屋内から延長ケーブルを引っ張る必要がある。そこだけは注意が必要だ。

画像: EVとしては一般的なJ1722に対応しているので、ショッピングモールや駐車場といった出先での充電器も使用可能だ。

EVとしては一般的なJ1722に対応しているので、ショッピングモールや駐車場といった出先での充電器も使用可能だ。

カタログ上の航続距離は100km。たとえば、さきほどの往復3.6kmの買い物を週3回重ねるような使い方だったら、月に50kmに届かない程度。近所を移動する足としてだったら、充電の頻度は月1回でも十分だ。

ちょうどいい二台目になりえる一台

価格は97万9000円。安い軽自動車が買えてしまうが、「クルマをもう一台持つ」ことと「原付やミニカーで妥協する」ことの間に、これまで無かったクルマとバイクのいいとこ取りができる選択肢が増えると思えば十分検討する価値のある一台だ。

クルマなら車検は2年ごとに数万円、自動車税や任意保険も毎年かかり続ける。だがNEO-ONEなら車検も車庫証明も不要な区分のため、その負担がまるごと無くなる。もちろん自賠責保険(24ヶ月8,920円)や軽自動車税(年3,600円)は変わらず発生するが、クルマの維持費に比べれば額はずっと少ない。

もちろん新車の原付一種なら23万円程度からと、初期費用はグッと抑えられる。ただし乗れるのは基本ひとり、積めるのも法定30kgまでで、ミニカーも出力の上限が0.6kWとNEO-ONEの3kWの5分の1に抑えられているぶん、坂を思うように上がれるか不安が残る。3kWの発進とヒルホールド、荷物やもう一人分の連れまで乗せられる余裕まで踏まえれば、この金額を出す理由がある。もう一台クルマを増やすよりも、ずっと軽い決断だ。

家族の車が空くのを待つことも、非力さで我慢することも、もうしなくていい。置き場所にあまり困らず、坂でも荷物でも頼れる一台が、すぐそこにある日常をこの一台なら叶えてくれる。

画像: カラーバリエーションは、マットブラック・ホワイト・シルバーの3種類だ。

カラーバリエーションは、マットブラック・ホワイト・シルバーの3種類だ。

ダイゾー eNEO NEO-ONE 主要諸元

・車両区分:側車付軽二輪
・運転免許区分:普通自動車免許
・乗車定員:3人
・全長×全幅×全高:2,245×1,150×1,630mm
・ホイールベース:1,610mm
・車両重量:310kg
・最高速度:50km/h
・航続距離:100km±
・モーター出力:3,000W(3kW)
・バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン(60V80A)、重量62kg、充電回数目安2,000回±
・充電:普通100V/200V対応。100Vで6〜7時間、200Vで3〜4時間で満充電。充電口規格J1772
・タイヤ:前130/60R13・後135/70R12
・サスペンション:前 油圧/後 スプリング
・ブレーキ:前後ディスク、ハンドブレーキ方式
・シートベルト:運転席3点式、後部座席2点式
・カラー:マットブラック/シルバー/ホワイト
・価格:97万9000円
・オプション:専用エアコンシステム 15万円(本体)+工賃別

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