家の2台目に、もっと遊べる乗り物がほしい。けれど軽自動車を増やせば、車検や税金の負担も増える。その点、カーターの「GOAT180」なら車検も車庫証明も不要で、税金は年3600円と維持費が安い。AT限定の普通免許で乗れる3人乗りの屋根付きトライクで、CVTだからギア操作も要らない。価格は税込99万円だ。

文: 石川順一
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2台目は「遊べるかどうか」で選びたい

家にはもう、家族で使うクルマが1台ある。そのうえで近場用にもう1台となると、まず候補に挙がるのは軽自動車だ。実用に徹したモデルだけでなく、オープンモデルやスポーツモデルのように、走りそのものを楽しめる軽もある。

ただ、2台目に求めるものが速さやハンドリングではなく、のんびり走って風や景色を味わう時間だとしたら、選択肢は四輪の外にも広げていい。風が抜けて、景色が近くて、それでいて雨はしのげて、家族も乗せられる。そんな条件を並べていくと、屋根付きの3輪車、トライクに行き着く。車体を傾けずに曲がるタイプのトライクは、道路交通法では普通自動車の扱いだから、クルマの免許で運転でき、ヘルメットの着用義務もない。

もっとも、クルマしか運転してこなかった人には、つまずきやすい点がひとつあった。ギア操作だ。カーターが販売してきたAPtrikesシリーズも、125ccモデルはクラッチ操作こそ不要ながら4段のギアを自分で切り替える必要があり、250ccモデルともなると完全なマニュアルクラッチで、MT免許が要る。AT限定免許の人や、スクーターにも乗ったことがない人は、そこで足が止まっていた。そんな壁を取り払ったトライクが、いま予約を受け付けている。それがカーターの新型「GOAT180」だ。

画像: オレンジをはじめ全4色をそろえるGOAT180。屋根とフロントガラス、ワイパーを備える

オレンジをはじめ全4色をそろえるGOAT180。屋根とフロントガラス、ワイパーを備える

アクセルをひねれば走り出す気軽さ。流す速度がいちばん気持ちいい

GOAT180のトランスミッションは、スクーターと同じCVT。クラッチもシフトチェンジも不要で、シート脇のレバーをDに入れてアクセルをひねれば、あとは無段階に変速しながら滑らかに加速していく。レバーの表示はD・N・Rの3つだけで、バックもRに入れるだけで済む。AT限定の普通免許でそのまま運転できるから、教習所に通い直す必要はない。免許を取って以来オートマのクルマにしか乗っていない家族とも、1台を共有できるというわけだ。

エンジンは水冷の180cc単気筒で、最高出力は13.2kW。125ccエンジンを積むAPtrikes125の6.3kWと比べると、およそ2.1倍にあたる。坂道でも余裕をもって登っていける力があり、定員は最大3人。人を乗せる機会の多いセカンドカーだからこそ、この余力が効いてくる。その頼もしさは、車名にも込められている。GOATは“Greatest Of All Time”の頭文字であり、山羊の意味も持つ。道なき道も進んでいく山羊のたくましさを、コンセプトに重ねたという。

画像: 水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒の180ccエンジン。変速機はCVT

水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒の180ccエンジン。変速機はCVT

とはいえ、力にまかせて飛ばす乗り物ではない。メーカーが安全に運行できる速度として定めているのは、50km/h未満。バイパスを飛ばして遠くへ行くのではなく、街なかや海沿い、山あいの一般道を、景色ごと味わいながら流す。GOAT180は、そういう速度域で付き合う乗り物だ。道路交通法では普通自動車の扱いなので、法令上は高速道路も走れる。だが、高速を使うような遠出は、家のもう1台に任せればいい。

ゆっくり流す時間を心地よくしてくれるのが、静かさへの気配りである。エンジンはリアシートの下に収め、プロペラシャフトを介さずに、エンジンからドライブシャフトへ直接駆動を伝える構造でメカニカルノイズを抑えた。風を受けながら、後ろの家族と「あの店、寄ってみようか」と相談できる。二輪の二人乗りでは難しい楽しみ方だろう。

画像: アクセルをひねれば走り出す気軽さ。流す速度がいちばん気持ちいい

雨の予報でも、荷物のある日でも出番がある

遊びの乗り物は、天気や荷物を理由に出番が減りがちだ。その点は、GOAT180なら心配無用。屋根とフロントガラス、ワイパーがあり、付属品としてサイドレインカーテンまで用意されているからだ。取り付けは車体への穴あけ加工を伴うため希望制で、販売店の定める工賃がかかるが、付ければ横からの雨風もさえぎることができる。空模様のあやしい休日にも、出かける予定を変えなくていい。

画像: 付属品のサイドレインカーテンを取り付けた状態

付属品のサイドレインカーテンを取り付けた状態

置き場所にあまり悩まなくていいことも、出番を増やしてくれる。車体は全長2300mm、全幅1100mm。軽自動車の規格いっぱいの全長3400mm、全幅1480mmと比べると、長さで1.1m、幅で38cmもコンパクトだ。カーポートの端や玄関の脇といった、クルマをもう1台置くには足りなかった場所が、置き場所の候補になってくる。

車体の後部には収納ボックスがあり、ちょっとした荷物はここに収まる。たとえば日帰りの温泉なら、着替えとタオルを入れて出かけるといった使い方だってできる。

思いつきで足を延ばしたくなる遊びの乗り物にとっては、燃料がガソリンであることも心強い。燃料は無鉛レギュラーで、タンク容量は約14L。EVトライクも数が増えてきているが、あちらとは違って、充電の待ち時間や残量から逆算して行き先を絞らなくていい。ガソリン車ならではの強みだ。

画像: 走行するGOAT180。運転席の側方が開いていて、風が抜ける

走行するGOAT180。運転席の側方が開いていて、風が抜ける

99万円で手に入れる爽快さ。持ち続けやすい2台目

車両本体価格は税込99万円。送料、納車整備費用、登録などの諸経費が別にかかり、金額は販売店によって異なるが、それらを足しても、軽自動車の新車購入平均価格196万円とは大きな開きがある。遊ぶための2台目として、手を伸ばしやすい価格だ。

持ち続けるための費用も抑えやすい。GOAT180は排気量250cc以下の側車付軽二輪として登録するので、車検がなく、車庫証明も要らない。軽自動車税は年3600円で、自家用の軽乗用車にかかる1万800円の3分の1。保険もバイクの250ccクラスと同等の扱いになる。セカンドカーで気になるのは、買うときよりも持ち続けるときの負担だ。そこが軽く済むなら、乗る回数が多くない月があっても、手放す理由にはなりにくい。

購入の窓口は、全国の販売協力店と販売代理店。来店するときは事前に予約しておくとスムーズだ。開発段階から問い合わせが多く、申し込みの集中が見込まれたため、8月22日からの約1か月は入荷時期を抽選で決める方式が採られたが、9月21日からは先着順の通常予約に移っている。初回ロットの日本への入荷は2026年11月頃の予定で、以降は1〜2か月ほどの間隔で順次入ってくるという。入荷は抽選予約の分から始まるので、気になっているなら早めに販売店へ相談しておこう。

2台目のクルマを、用事を片づけるためではなく、出かける理由を増やすために選ぶ。GOAT180は、その選び方に応えてくれる1台だ。次の休みにどこへ行こうかと考える時間から、もう楽しみは始まっている。

画像: 99万円で手に入れる爽快さ。持ち続けやすい2台目

カーター GOAT180 主要諸元

・車両区分:側車付軽二輪
・必要な免許:普通自動車免許(AT限定可。二輪免許では運転不可)
・乗車定員:最大3人
・全長×全幅×全高:2300mm×1100mm×1700mm
・車両重量:300kg
・エンジンモデル:WUYANG製 180cc
・エンジンタイプ:水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
・排気量:180.4cc
・最大出力:13.2kW(17.95PS)/8250rpm
・最大トルク:16.9N・m(1.72kgf・m)/6500rpm
・変速機:CVT(自動無段変速機)
・メーカーが定める安全に運行できる速度:50km/h未満
・燃料:無鉛レギュラーガソリン
・燃料タンク容量:約14L
・付属品:サイドレインカーテン(取り付けは希望制。穴あけ加工を伴い、工賃別途)
・車体色:全4色
・車両本体価格:99万円(税込)※送料・納車整備費用・登録等諸経費は別途
・販売:全国の販売協力店および販売代理店。初回ロット入荷は2026年11月頃の予定

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