2026年10月1日〜4日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニアがサルディニア島北部のアルゲーロを起点としたグラベル路面で開催され、トヨタのオリバー・ソルベルグが優勝。2位にトヨタのセバスチャン・オジェ、3位にもトヨタのサミ・パヤリが入った。選手権リーダーだったエルフィン・エバンス(トヨタ)は5位に終わったが、わずかの差で念願のシリーズタイトルを獲得した。勝田貴元(トヨタ)は初日のパンクが響き6位、年間ランキングも6位でシーズンを終えた。

文:新村 いつき
▶▶▶写真はこちら|2026年 WRC第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニア(画像6枚)

土曜日を終え、首位はソルベルグ、パヤリ3番手、エバンス5番手

前戦終了後に本来、第14戦として予定されていたラリー・サウジアラビアが中東情勢を考慮して開催を断念。このラリー・イタリア・サルディニアが急遽シリーズ最終戦として行われることになった。

その結果、注目のドライバーズ選手権争いはトヨタの3人、エルフィン・エバンス(230点)、サミ・パヤリ(213点)、オリバー・ソルベルグ(209点)に絞られることに。

誰が獲っても初戴冠となる戦いで、木曜日のSS1をリードしたのは、ソルベルグ。しかし翌金曜日のオープニングとなるSS2ではスローパンクを喫し、首位から7番手まで陥落してしまう。それでもソルベルグはエバンスとパヤリに比べると有利なスタート順も活かし、SS4では再びベストタイムを記録して3番手に浮上。1-2体制となったヒョンデ勢を追う快走を見せる。

一方、選手権ランキング2位のパヤリとポイントリーダーのエバンスは砂利掻き役に苦しみ、それぞれ5番手、6番手で金曜日を終えた。

土曜日はラリーをリードするヒョンデ勢にアクシデントが襲いかかる。まずオープニングのSS8で、2番手のフルモーがパンクして5番手まで後退。SS10ではヌーヴィルが猛追するソルベルグに首位を明け渡し、さらにSS11ではクラッシュを喫してデイリタイアとなってしまったのだ。

土曜日を終え、首位ソルベルグと2番手に上がったオジェの差は33.6秒。パヤリは3番手に浮上したものの、エバンスは5番手のままで最終日を迎えることになった。

画像: 逆転チャンピオンに向けて、土曜日を終えて、首位に立ったオリバー・ソルベルグ(トヨタ)。

逆転チャンピオンに向けて、土曜日を終えて、首位に立ったオリバー・ソルベルグ(トヨタ)。

画像: ポイントリーダーのエルフィン・エバンスは、早いスタート順で砂利掻き役に苦しみ、最終日を5番手で迎えることになった。

ポイントリーダーのエルフィン・エバンスは、早いスタート順で砂利掻き役に苦しみ、最終日を5番手で迎えることになった。

最終パワーステージ、最後の最後でまさかのアクシデント

シーズン最終日もソルベルグは好調。オープニングのラリー最長ステージではパヤリに7.8秒差をつけるベストタイムをマークするなど、日曜日単独の“サンデーポイント”争いをリードする。一方、エバンスにはSS16でアクシデントが襲った。4km地点でまさかのパンクを喫してステージ中にタイヤ交換、なんとか総合5番手の座は守ったものの、“サンデーポイント”獲得は絶望的な状況となってしまった。

最終パワーステージ前の総合順位は、1位ソルベルグ、3位パヤリ、5位エバンスというオーダー。パヤリの戴冠は絶望的となり、ソルベルグの優勝と“サンデーポイント”1位もほぼ確実。これでソルベルグとエバンスのうち、パワーステージで先着した方がタイトルを獲得するという緊迫の状況となった。

先に走ったのはエバンス。だが、そこまでのベスト、ヌーヴィルのタイムに5.6秒及ばないタイムでフィニッシュ。いつも通りの冷静な表情ながら「このタイムでは十分とは言えないだろうね。がっかりだ」と肩を落とす。パヤリもエバンスを上回ったものの、ヌーヴィルのタイムは超えられない。どうやら走るたびに深くなる轍が、後続のクルマたちをやや不利にしているようだ。

そしていよいよソルベルグがスタート。すべてを賭けた全開走行で最初のスピリットから最速タイムをマーク。第2スピリットからはわずかにヌーヴィルには遅れをとったものの、最終スピリットでエバンスを1秒以上回り、戴冠は確実かと思われた。

しかし、フィニッシュ目前、最後からふたつ目のダウンヒルの左コーナーでまさかのアクシデントが起きる。

右から左へと切り返す際にギャップに足元をすくわれたGRヤリスがなんとコースアウト。ソルベルグはなんとかコースに復帰して優勝は果たしたものの、パワーステージで8位に終わってしまったのだ。これによりエバンスがソルベルグに5点差をつけ、初タイトルを決めることになった。

史上稀に見る劇的決着で悲願を達成したエバンスは「こんな決着なのでどんなリアクションをしていいかわからないけど、長い間求め続けて、寸前で逃していたものがやっと達成できてホッとしてる。やっと仕事が終わった感じだ」と控え目に微笑んだ。(文:新村いつき)

画像: 最終パワーステージを終え、サービスパークに戻るエルフィン・エバンス(トヨタ)。

最終パワーステージを終え、サービスパークに戻るエルフィン・エバンス(トヨタ)。

画像: 最終パワーステージもあとわずか、最後の最後でタイトル獲得を逃したオリバー・ソルベルグ(トヨタ)。

最終パワーステージもあとわずか、最後の最後でタイトル獲得を逃したオリバー・ソルベルグ(トヨタ)。

2026年 WRC第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニア リザルト

2026年 WRC第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニア 結果

1位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h24m57.0s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+57.6s
3位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m37.4s
4位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+2m38.6s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー)+4m48.1s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+6m02.4s
7位:J.アームストロング(フォード・プーマ ラリー1)+7m32.2s
8位:R.コルホネン(トヨタ GRヤリス ラリー2)+12m10.4s
9位:R.ヴェルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)+12m11.1s
10位:G.グリーンスミス(トヨタ GRヤリス ラリー2)+13m02.2s

2026年 WRC第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニア スーパーサンデー 結果

1位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)42m21.3s
2位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2.5s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+9.1s
4位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+21.0s
5位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+26.5

2026年 WRCドライバーズランキング(最終結果)

1位:E.エバンス(トヨタ)243
2位:O.ソルベルグ(トヨタ)238
3位:S.パヤリ(トヨタ)237
4位:S.オジェ(トヨタ)189
5位:A.フルモー(ヒョンデ)183
6位:勝田貴元(トヨタ)175
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)134

2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(最終結果)

1位:トヨタ 662
2位:ヒョンデ 440
3位:Mスポーツ・フォード 168

This article is a sponsored article by
''.