モーターマガジン社が2026年9月29日に発行したムック本「SUPERCAR IMPRESSIONS Chronicle(スーパーカーインプレッションズクロニクル)」の中から、一部を抜粋してお届けしよう。今回紹介するフェラーリ365GTB/4は、スーパーカーブームの脇役ながら、FRの利点を生かした安定感が際立つ一台となっていた。

文:飯嶋洋治
▶▶▶写真はこちら|フェラーリ 365GTB4 デイトナ・スーパーカーインプレッションズ【画像 5枚 】

MR中心の70sスーパーカーの中で際立つFR採用のデイトナ

画像: ライトカバー付きのデイトナは前期型に当たる。主なテストはこれと同タイプで行っている。

ライトカバー付きのデイトナは前期型に当たる。主なテストはこれと同タイプで行っている。

今回は新旧2台のデイトナを揃えてのフルテスト。1台はヘッドライトがリトラクタブルになっているデイトナの最終モデル、もう1台は透明なプラスチックカバーでヘッドライトを覆ったタイプ。2台ともベストコンディションにあるということで、期待は大きかった。

最初にライトカバータイプのデイトナを試みることにした。スターターを回すと、電磁ポンプの音が聞こえたと思った瞬間に12気筒が一斉に目覚める。思ったより始動は簡単だ。アイドリングもスムーズで直ちに800rpmで安定する。

まず最高速テストに入る。初めの一周はウォーミングアップだ。エンジンのメカニカルノイズはかなり大きい方である。とくにタペットノイズが大きい。エンジン回転が低いと排気音も低周波となり力強いエキゾーストサウンドがコクピット内に伝わってくる。100km/h走行時、5速ギアで2500rpm、乗用車レベルよりはるかに室内騒音は大きいが、ドライビングを楽しむのに支障となるほどではない。

画像: 4.4LのV12DOHCを長いノーズに搭載。完調であればスペックに違わぬ350ps超を味あわせてくれる。

4.4LのV12DOHCを長いノーズに搭載。完調であればスペックに違わぬ350ps超を味あわせてくれる。

実測値で255.7km/hの最高速を記録する実力派

150km/hで同じく3800rpm、エンジンは全くの余裕をもって回っている感じである。180km/hにアップして回転計の針はようやく4200rpmに上る。この辺は極めて標準的なクルージングスピードで、デイトナにとっては220km/hあたりまでがその領域と考えてよい。エンジン回転を上げてみる。250km/hを超えても速度計の針の進み具合は早い。この辺になると指針が振れてきて数値を読みとり難い。6500rpmでサチュレート、バンクから直線コースに入ってぐんぐん加速する。

計測地点を6800rpmで駆け抜ける。速度計は280km/h付近を指しているが振れが大きいので正確に読みとることができない。実測値は255.77km/h。相当なスピードである。谷田部テストコースで約256km/hを出すということは、真の最高速が260km/hをオーバーすることを意味しており、実力はあなどり難いものであることを実証した。

高速においてはもちろん、200km/hオーバーの高速時において、ボディリフトはほとんど感じられない。特にウエッジシェイプでもないのにボディ前後において浮上がりが極く小さい。したがって、ロードホールディングはしっかりしている。操能力も適度な重さが確保されており、ややアンダーが強い操縦性も加味されて、車線変更も気楽に行える。急激なハンドル操作においてもミッドシップほどのデリケートさが要求されない。

画像: いわゆるセレブ層が顧客ということもあり、コクピットも上質感のあるものだ。

いわゆるセレブ層が顧客ということもあり、コクピットも上質感のあるものだ。

0-400m加速では13.16秒という掛け値なしのハイパフォーマンスを示す

次は0〜400m。1回目、4000rpmでクラッチを継いでみると、ややクラッチが滑り、2速ギアに入るまで滑りが残ってしまう。1回目は3000rpmにダウンして、温和しいクラッチワークで発進、ホイールスピンは全くなし。ピレリCN36の235サイズを装着しているので、グリップは強力である。1速、2速とも7500rpmまで引っ張る。そして3速ギアで丁度7500rpmに入ったところで400m地点を通過、速度計は180km/hを指す。このときのタイムが13.16秒、公式記録としてはデイトナのベストタイムとみなしてよい。

次はリトラクタブルのデイトナだ。2周のウォーミングアップの後、全力疾走に入る。ところが、フルスロットルにして1kmも走ると燃料切れを起こして、パワーが急激に低下する。最初はプラグの電極が焼損したのかと思って、プラグを点検したが、確かに焼けてはいるものの異常というほどのことではない。念のため1段階上のコールドタイプに交換して再発進、高い回転数で多少伸びが良くなったものの、スロットル全開後、間もなくパワーダウンが始まる。燃料切れであることは確認された。

画像: シンプルな造形だけに美しさが映えるリアビュー。スパッと切り落とされたリアエンドが印象的だ。

シンプルな造形だけに美しさが映えるリアビュー。スパッと切り落とされたリアエンドが印象的だ。

低い速度で計測すればなんとか計測地点をカバーし得るが、それでは車速が伸びない。止むなくバンクを出たところで全開にして計測地点に突入する。計測終了地点の手前でガス切れが始まるが、そのまま進行、5速ギア6700rpm、速度計は260km/hを指していた。

実測値は255.3km/h、悪コンディションの下では予想外に良いデータであった。0〜400mは、心配したクラッチは問題なし、ハーフクラッチのコントロールは自由自在に行える。全力発進すると激しいホイールスピンが発生する。一旦スピンさせてしまうと、2速ギアに入ってもスピンが止まらない。この状態の発進では13.9秒台しかマークできなかった。(文:望月修)※この記事は抜粋です。詳しくは『SUPERCAR IMPRESSIONS Chronicle(モーターマガジン社)』をご参照ください。

フェラーリ365GTB/4 デイトナ主要諸元

●全長×全幅×全高:4425×1760×1245mm
●ホイールベース:2400mm
●車両重量:1200kg
●エンジン:60度V12気筒DOHC
●排気量:4390cc
●最高出力:352ps/7500rpm
●最大トルク:44.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FR

おすすめ関連記事

This article is a sponsored article by
''.