![画像: 【試乗】クラシックカー T型フォードを運転する【イベント】](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/8cccb388058f7fc897ecd33aa35dacda35156e3d_xlarge.jpg)
そもそも“T型フォード”って、なに?
単なる自動車という枠組みを超え、生産技術や労働、経済、文化など各方面に影響を及ぼした存在が、ご存じT型フォード(モデルT)だ。
1903年に設立されたフォードモーターの社長ヘンリー・フォードは、デトロイトの工場で1908年にモデルTをラインオフ、モデルTに絞り込んだ生産を行った。
ベルトコンベア化による大量生産、実用を重視した黒1色のみのボディカラーなど徹底したコスト重視で、登場当初の1台850ドルという車両価格から、最終的には290ドルという価格まで下がったことが爆発的な人気を呼び、1927年までの生産台数は1500万台を超えるメガヒットとなった。
週休2日/8時間労働が始まったのもフォードの工場。社会そのものを変革したクルマとも呼ぶことができる。しかしながらライバル車が高級化するにつれ、モデルTの大衆車然としたデザインや性能がユーザーから飽きられ、19年にも及ぶ生産は1927年に終了した。
![画像: ▲フォードモデルT センタードアセダン(1915)のインパネはこんな感じでシンプル。余計なものがなく、目の前に箱ガラスがあるので、クルマの運転席という印象はない。ハンドルは大径で、もちろんノンパワステだ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/aec98e4aba23c399e7f323311d177f894f76a997_xlarge.jpg)
▲フォードモデルT センタードアセダン(1915)のインパネはこんな感じでシンプル。余計なものがなく、目の前に箱ガラスがあるので、クルマの運転席という印象はない。ハンドルは大径で、もちろんノンパワステだ。
運転作法その1 エンジン始動〜走行
まずは1915年製フォードモデルT センタードアセダンの運転作法から。
①クランクハンドルを回しエンジン始動。
②右足でブレーキを踏み、左足でクラッチペダルを中ほどまで踏んでニュートラル位置に。
③ハンドレバーを最前方まで倒す。
④クラッチペダルを目いっぱい踏む。
走り出す。
![画像: ▲クランクハンドルでエンジンを始動する。講習時は手回しではなく専用の機械で始動。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/0cc5779f0689e33d5f273c9c595109bc296bd3ef_xlarge.jpg)
▲クランクハンドルでエンジンを始動する。講習時は手回しではなく専用の機械で始動。
![画像: ▲ハンドルの右手にあるスロットルレバー。下に下ろすと加速し、上に上げると減速する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/0838a9404a447be9d9f942187496420e58108f92_xlarge.jpg)
▲ハンドルの右手にあるスロットルレバー。下に下ろすと加速し、上に上げると減速する。
![画像: ▲ハンドル左手側のレバーはスパークレバー。点火タイミングを決めるもの。下に下ろすと点火時期を早め、上に上げて遅める。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/720c97f843c41c09416d074cb0446ba8ed861f55_xlarge.jpg)
▲ハンドル左手側のレバーはスパークレバー。点火タイミングを決めるもの。下に下ろすと点火時期を早め、上に上げて遅める。
![画像: ▲左手で操作するハンドレバー。手前に引いて駐車ブレーキ、中間でニュートラル、奥に押すとギアが接続する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/99960241c26c5b19e1e9015d8d580ca105b19cf3_xlarge.jpg)
▲左手で操作するハンドレバー。手前に引いて駐車ブレーキ、中間でニュートラル、奥に押すとギアが接続する。
![画像: ▲ペダルは3ペダル操作。右がブレーキ、中央はバックギア、左はクラッチで、真ん中あたりがニュートラル、奥まで踏むとローギア、足を離すとハイギアになる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/bde4e205e371c71b81552e889f4012ae13def95f_xlarge.jpg)
▲ペダルは3ペダル操作。右がブレーキ、中央はバックギア、左はクラッチで、真ん中あたりがニュートラル、奥まで踏むとローギア、足を離すとハイギアになる。
運転作法その2 走行時
⑤時速が10km/h程度になったら左足のクラッチペダルを離しハイギアにする。
⑥右手のスロットルレバーを操作すると速度が調整が可能。下に下ろすと速くなる。
![画像: 運転作法その2 走行時](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/a9cdc087abebc247ed4bf1a73d5d81e3f7cb1d7d_xlarge.jpg)
運転作法その3 減速〜停止
⑦右手のスロットルレバーを上げ速度を落とす。
⑧左足のクラッチペダルを中ほどまで踏みニュートラル位置にする。
⑨右足のブレーキペダルを踏み、停止。
⑩ハンドレバーを手前に引き、駐車位置に。
運転作法その4 バック
⑪ハンドレバーをニュートラル位置に。
⑫真ん中のペダルを踏むとバックする。
1927年製モデルTクーペも運転した
もう1台、運転することができるフォード モデルTは、1927年製。先ほど運転した1915年製のセンタードアセダンと比べると、12年の年月が経っていて、T型フォードとしては最晩年のモデルとなる。基本的な運転作法は一緒だが、エンジン始動がセルモーター式となったり、ペダル位置が変更されていたりと、運転のしやすさは1915年製と比べると格段に良くなっている。
このモデルは医者の往診用によく使われたことから、当時「ドクターズクーペ」と呼ばれていたそう。
![画像: ▲1927年製フォード モデルTクーペ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/a8009be2277fb4280716c6de3afd187ace672cab_xlarge.jpg)
▲1927年製フォード モデルTクーペ。
![画像: ▲クーペなので2シーター。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/7062c65f7c5c42c75ef47775afb51198b2b8a8b9_xlarge.jpg)
▲クーペなので2シーター。
![画像: ▲ペダルレイアウトは1915年製と一緒だが、3ペダルが離れて運転しやすくなっている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/07/13/00854d022d4305bcf13c02c5c07d1c5e3026cdde_xlarge.jpg)
▲ペダルレイアウトは1915年製と一緒だが、3ペダルが離れて運転しやすくなっている。