さてさて、長~い決勝1000kmレースのスタート前となりました。ポールポジションの18号車 UPGARAGE BANDOH 86 中山友貴選手を訪ねるのは、4番手スタート61号車 BRZ R&D SPORTの井口卓人選手。「追いついちゃうからよろしくね~」と言ったかは定かではありません。
2番手スタート31号車 プリウスapr GTの中山雄一選手と嵯峨宏紀選手。先ほどまで降っていた雨により路面はチョイ濡れ状態。エンジニアを交えてタイヤ選択について話し合っているようですが、出した結論は吉か凶か。
午後12時39分、1000kmレースのスタートです。GT500マシンは173周、GT300クラスだと160周前後、約6時間後のゴールを目指します。「ほぼ」全車がスリックタイヤでスタート。
トップ走行の18号車 中山選手の直後に「公言通り」61号車 井口選手が迫ります。2番手スタートの31号車はウェットタイヤを選択したのが裏目に。3周目にピットインしタイヤ交換。
3位に順位を上げた0号車 GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート選手が、2番手の61号車にオーバーテイクを仕掛けます。激しい攻防の末2台は接触、61号車BRZはコースアウトしポジションダウン。0号車はペナルティを受け順位を下げる痛み分け。
2号車 シンティアム・アップル・ロータス(ザクレロ顔やめた?)は、レギュラードライバーの加藤寛規・高橋一穂選手に加えて牧野任祐選手を第3ドライバーに起用。その牧野選手は予選Q1でGT300コースレコードタイムを叩き出し、決勝レースでも一時トップを走行する大活躍。このレースの後、GT500クラスのドライバーに弱冠19歳ながら大抜擢されたのはご存知の通り。
その2号車ロータスが高橋社長のクラッシュにより戦線離脱、セーフティーカー導入となります。序盤に順位を下げた61号車に願ってもないチャンス。トップ18号車との差は無くなり、やがて追いつくとピットインごとにトップが交互に入れ替わる展開に。
SC導入で息を吹き返したのは61号車だけではありません。0号車GT-Rと31号車プリウスが猛チャージ。ピットインのタイミングで18号車を抜くと2台は2位争いを展開。
そしてラスト2周、31号車 中山選手がついに0号車の富田竜一郎選手をパス、2位争いが決着。
61号車のアンカーは井口選手、目指すはトップチェッカーのみ。薄暮の鈴鹿サーキットに響くボクサーサウンド。そしてスバリスト歓喜の声がグランドスタンドから聞こえてきます。
ゴール後に辰己英治総監督とガッチリ肩を組み合う山内・井口両選手。何故か表情が対照的ですが多分、嬉しいのでしょう。
山内選手、表彰式では笑顔になりました。今度は3位0号車の富田選手がヒドくお疲れのようで。
そしてこの鈴鹿1000kmの優勝により、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT は第6戦終了時点で、
ドライバーズランキング、チームランキングともにトップに立ちました。クラス最小排気量のBRZがシリーズ制覇となるのか?次回はタイ戦となります。
(PHOTO:井上雅行)