「トヨタのクルマは保守的」と思いがちだけど、じつはトヨタの歴史はチャレンジの歴史でもあります。バブル絶頂期、登場したのがこの「国産量産車初」となるガルウイングを持つモデル、セラ。29年前の今日、登場しました。初代エスティマや三菱ディアマンテ、初代プリメーラが登場するなど、1990年は日本車が花開いた年でもありました。

トヨタ・セラってどんなクルマ?

1987年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー、AXV-Ⅱの生産車が「セラ」として誕生したのが1990年3月8日。グラスキャノピーと呼ばれる全面ガラスとガルウイングドアが特徴だ。

ベースとなったのはEP82型スターレットだが、キャビン部分をほぼガラスに、さらに国産量産車初のガルウイングドア(正確には前ヒンジのシザーズドア)を採用するなど、ベース車とは異なる最新技術が数多く盛り込まれていた。

搭載されたエンジンは1.5Lハイメカツインカムの5E-FHE型で、これはセラに搭載されてデビューを果たした。パワースペックは110psと13.5kgmで、車重は900kg前後だったから、動力性能はほどほどだった。

しかし何といっても、ルーフまで回りこんだウインドウにより開放感は格別で、オープンスポーツカーとは異なる新たなドライビング体験をもたらした。もっとも「外から丸見え」ゆえ、恥ずかしがり?の日本人には馴染まず、一代限りで生産を終了。総生産台数は1万7000台弱に終わってしまう。だが逆に現在も熱心なファンが存在する、やんちゃなトヨタの象徴ともいえる1台だ。

セラ主要諸元

●全長×全幅×全高:3860×1650×1265㎜
●ホイールベース:2300㎜
●重量:890kg(4速AT:930kg)
●エンジン型式・種類:5E-FHE・直4DOHC
●排気量:1496cc
●最高出力:110ps/6400rpm
●最大トルク:13.5kgm/5200rpm
●10モード燃費:14.6km/L
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格(当時):160万円~(4速AT:167万5000円)

画像: 当時のカタログ。グラスキャノピーで上方向の視界も抜群だった。ただし、真夏は灼熱だったという。

当時のカタログ。グラスキャノピーで上方向の視界も抜群だった。ただし、真夏は灼熱だったという。

画像: スペック的には大したことはなかったが、ガルウイングドアが人気を博し、中古市場でもいまだに人気がある。

スペック的には大したことはなかったが、ガルウイングドアが人気を博し、中古市場でもいまだに人気がある。

画像: ボディカラーは、メタリック系を中心に揃っていた。

ボディカラーは、メタリック系を中心に揃っていた。

生産工場はセントラル自動車、販売会社はトヨタオート店、トヨタビスタ店。

セラ発売の1990年【平成2年】には何があった?

ニュース

●F1日本GPで鈴木亜久里が日本人初の3位入賞
●礼宮親王が川嶋紀子さんと結婚
●スーパーファミコン発売

ヒット曲

●おどるポンポコリン B.B.クイーンズ
●浪漫飛行 米米CLUB
●今すぐKISS ME LINDBERG
●さよなら人類 たま
●OH YEAH! プリンセス・プリンセス

画像: インパネ。

インパネ。

画像: シート。狭いながらもリアシートがあり、乗車定員は4名。

シート。狭いながらもリアシートがあり、乗車定員は4名。

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