レースには不利となるワゴンボディ。そんなことは百も承知で果敢に挑戦したのがボルボである。1994年に850エステートでBTCC(英国ツーリングカー選手権)に参戦していた。

フライングブリックの再来と言われた、850エステート。
850エステートでの参戦は世界中を驚かせた
スーパーGTでもWTCC(世界ツーリングカー選手権)でもボディの大きさや重量バランスの面で不利なワゴンボディのでの参戦は見かけない。やはりボディ形状的にはクーペやハッチバック、セダンが有利となるのである。
143423 The Volvo 850 Estate in the 1994 BTCC
www.youtube.com動画をみると、まわりのマシンより850エステートのボディはひときわ大きく見える。一説によると実は、ボルボも850セダンでの参戦を考えていたようだが、開発が間に合わなかった、という話もある。しかし、セダンよりボディの長いエステートはダウンフォース面では有利でないかということで参戦がきまったようだ。
結果は大活躍。かつてレースシーンで活躍した240ターボの愛称"フライングブリック(空飛ぶレンガ)"の再来とまでいわれたのである。そしてボルボのエステートはモータースポーツの世界でも十分に通用するというイメージを植え付けた。

こちらは元祖フライングブリック、ボルボ240ターボ。
ちなみにボルボは現在、WTCCにポールスターシアンレーシングで参戦している。

WTCCに参戦するポールスターシアンレーシング。ベース車は当然ワゴンのV60ではなくセダンのS60が使われている。