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3月はじめに開催されたジュネーブショーで正式発表されたベントレー コンチネンタル スーパースポーツ。
日本で買える12気筒エンジンは7ブランド
プレミアムブランドにとって、12気筒エンジンを持つことは非常に重要なことだ。環境対策のため、要するに燃費向上のためには多気筒エンジンにメリットはないだろうが、12気筒エンジンが存在し続けていることには理由がある。時代がどのように流れようが、スタイテス性の裏付けになっているというのが現実なのだ。
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ベントレー コンチネンタルGT スピード コンバーチブル。最高出力642psのW12エンジンを搭載する。
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日本のラインナップでは頂点に立つW12は、最高出力642ps/6000rpm、最大トルク840Nm/2000-5000rpm。
さて、日本で購入できる12気筒エンジンのブランドは、BMW、メルセデスベンツ、フェラーリ、ランボルギーニ、ベントレー、ロールスロイス、アストンマーティンと錚々たる顔ぶれだが、ひとつの側面からもっとも12気筒エンジンにこだわりを持っているのがベントレーだ。日本でラインナップする12気筒エンジン、すなわちベントレーの場合、W12DOHCツインターボだが、なんと5つもの仕様があるのだ。
最高出力でいうと590psから642psまで。最大トルクでは720Nmから840Nmまでだ。しかも、これらは単に出力が異なるだけでなく、気筒休止システムやバルブタイミング機構を持つもの、持たないものといろいろなパターンがある。さらに、最近登場したベンテイガに搭載されているものは、ショートストローク化して他より排気量が53cc少ない5945ccで、これには可変シリンダーシステムやダイレクトインジェクション、アイドリングストップも採用されている。
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ベンテイガに搭載されたブランニューのW12エンジン。これのみストロークが89.5mmで総排気量は5950cc。
さらに国内導入の発表はないがもうひとつ。コンチネンタル スーパースポーツというモデルがジュネーブショーで正式発表されて、これは最高出力710psで最大トルクはオーバー1000Nmの1017Nmを誇る。これでW12エンジンは6種類になった。
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ベントレー コンチネンタル スーパースポーツ。車名に“GT”と付かないのがポイント。
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最高出力710ps/5900rpmにまで、チューンナップされたW12エンジン。
さすが超高級ブランドだけあって、そのモデルが出たタイミングやそのモデルに求められるものに応じて、細かな対応をするということだろう。こういうポリシーを持続することでブランドはさらに発展していくのだと思う。なお、参考のために6つの仕様は下記のとおりだ○最高出力、最大トルク(搭載モデル)
・710ps/5900rpm、1017Nm/2050-4500rpm(コンチネンタル スーパースポーツ)
・642ps/6000rpm、840Nm/2000-5000rpm(コンチネンタルGT スピード)
・635ps/6000rpm、820Nm/2000rpm(フライングスパー W12S)
・625ps/6000rpm、800Nm/2000rpm(フライングスパー W12)
・608ps/5000-6000rpm、900Nm/1350-4500rpm(ベンテイガ)※
・590ps/6000rpm、720Nm/1700rpm(コンチネンタルGT)
※は総排気量5945cc、他はすべて5998cc。