第2回 2カ月目 4034km
今月の走行距離:1346km 燃費:1324km÷82.6L=16.0km/L
2014年10月25日〜11月21日
水を得た魚のように走らせる楽しさ。
テスト車として、ハイ アップ!がMM編集部にやってきてから走行した距離は、今号の締め切り日までで1707kmとなった。MMアップ!号は、様々な取材や打ち合わせなどの足として重宝がられており、期待以上の活躍ぶりを見せてくれている。とくに、1人かせいぜい2人ぐらいで都内や近場へ出かけるといった用途は、まさにアップ!にピッタリだ。コンパクトなボディサイズによる扱いやすさはもちろんのこと、そうした短距離の使い方であっても、軽々と10 km/L以上という平均燃費を示してくれるのも嬉しい点である
1日で一度に走行した最長距離は750km。
また1回あたりの走行という観点でいくと、もっとも長距離を走ったのは、編集部のある東京・新橋をスタートしていったん千葉方面に寄ってから横浜、箱根を経由して西伊豆に向かい、その後は御殿場から河口湖を経て大月、調布、高井戸とまわって戻ってきた際のおよそ750kmという行程がある。この時は、燃費をとくに意識することのないペースで走行したにもかかわらず、渋滞や一般道、高速道路、アップダウンのきついワインディング路などを走り回った後で、マルチファンクションインジケーターには平均燃費16.7km/Lという値が示されていた。あれだけよく走らせてこの燃費ならば、自然吸気の1Lエンジン車として担当者的には文句のない結果であり、燃費の良さに改めて驚かされた。
慣れると楽しくなる5速AMTの操作。
さて、前回も記したのだが、このMMアップ!号と付き合い始めてから、改めてドライビングするという行為そのものの楽しさを実感させられている。アップ!が搭載する変速機は“ASG”と名付けられた5速オートメーテッドトランスミッションで、これは5速のマニュアルギアボックスと自動シングルクラッチ機構を組み合わせたシステム。本誌では“AMT”と呼称しているタイプだ。もちろん2ペダル式で、Dレンジを選んでおけば、走行状況に合わせて自動的に変速してくれるが、どうしてもシフトアップ/ダウン時にクラッチがつながるまでのタイムラグがある。デビュー以来、その制御プログラムは年々バージョンアップされており、MMアップ!号は最新バージョンの仕様となっているのだが、それでもキビキビ走りたい時にはもどかしい思いが募るのも事実。
楽しいのはマニュアルモードで走らせる時。
そこで、自分でギアを選ぶマニュアルモードで走らせるわけなのだが、これが何とも楽しいのだ。クラッチ操作は自動なので、車速とエンジン回転数を勘案しながら、アクセルペダルの踏み加減を調整しつつ、セレクターを動かして希望するギアを選ぶ。減速時も積極的にシフトダウンして走らせるのだが、こうした行為が好きな人にとってアップ!は最適な存在だと強く思う次第である。