ニッサンが2017年に入り日本の販売が好調に推移している。その一役を担っているのがノートeパワーだ。そんなモデルのひとつの個性となっているのが、スポーツモデルである「ノートeパワーNISMO(ニスモ)」だ。ノーマルとどう違うのか、試乗してみた。
日産の好調の立役者がノートeパワー
最近の日産の好調ぶりは、ノートeパワーによるところが大きい。2017年に入り、1月、そして3月と、ノートは新車乗用車販売台数でナンバーワンに輝いている(2月はプリウスに次ぐ2位)。
異次元の加速感と、ワンペダルドライブ(アクセルペダルだけで加速/減速/停止ができる)による未来的な操縦性。発電するエンジン搭載による電欠からの解放。たしかに、乗っていてこんなにワクワクするコンパクトカーは久しぶりだ。
モーター出力/パワー自体はノーマルと変わらない
そんなノートeパワーに追加されたNISMO(ニスモ)仕様。エクステリアだけ見れば、以前からガソリンモデルのノートNISMOが存在していたので新鮮味は少ないが、ルーフスポイラーや専用フロントグリルで“らしい”仕上がりだ。
インテリアもそう。バケットタイプのシートやセンターマーク付きのステアリングなど、ノーマルのノートとは異なったスポーティムードに溢れている。
スポーツモデルのノートeパワーNISMOだが、モーター出力/トルク自体はノーマルのノートeパワーと変わらない。ただし専用コンピュータチューニングで、その制御は異なっている。
3つの走行モードの振り幅が大きいのがNISMOの特徴
スタートボタンを押して発進する。バッテリーの残量にもよるが、「ブルン」と一度エンジンがかかったあとすぐにEVモードに切り替わった。街乗りは至って静か。この走行感覚はリーフと似ている。
ドライブモードはECO/通常/S(スポーツ)の3種類。パーキングブレーキレバーの右にある「DRIVE MODE」ボタンを押すと、通常モード→Sモード→ECOモード、そして通常モードに戻る。
NISMOモデルは、通常モードだとガソリンモデルから乗り比べても違和感のない走りだ。このモードにはクリープもあるので、何も構えることなく運転することができる。
ドライブモードのボタンを1回押してSモード。このモードは、モーターならではの加速力が楽しめる。どの速度域からでも、アクセルを踏めば異次元のトルクが発生するのは、EVならではの味だ。この加速感はガソリンモデルでは味わえないものだ。
ECOモードは一転、加速が穏やかになり、アクセルオフ時の回生ブレーキが強くなる。このモードだと、一般道でのワンペダルドライブが可能になる。
昔ながらのスポーツ感と未来の走行感が同居する
NISMOモデルは、この走行モードの振り幅がノーマルのノートeパワーよりも広く、3つの際だった個性をそれぞれに楽しめるところがミソだろう。
そうした未来感と、ボディ補強や専用サスペンションによる、古きよきスポーツモデルの走り味が、1台のなかに同居しているところがこのクルマの面白さ。ノートeパワーの購入を検討しているならば、ぜひいちどNISMOモデルも試乗してみたほうがいい。
日産ノートeパワーNISMO 主要諸元
●サイズ=4165×1695×1530mm ●車両重量=1250kg ●モーター最高出力=109ps/3008-10000rpm ●最大トルク=254Nm/0-2008rpm ●エンジン=直3DOHC 1198cc ●最高出力=79ps/5400rpm ●最大トルク=103Nm/3600-5200rpm ●車両価格=245万8080円