文:竹花寿実/写真:Kimura Office、Daimler AG
GLAは外装をよりSUVらしく、内装にプレミアム感をプラス
2016年、メルセデス・ベンツは、前年を11.3%上回る208万3888台を世界で販売、過去最高を記録するとともに12年ぶりにドイツプレミアム御三家のトップに立った。
昨年は新型Eクラスが登場するなど、好調な販売を後押しする要素がいくつかあったが、全体のベースアップに貢献したのは、Aクラス、Bクラス、CLAクーペ、CLAシューティングブレーク、GLAと5モデルをラインナップするMFA(メルセデス フロントドライブ アーキテクチャー)プラットフォームを採用したコンパクトカーたちだった。
これらのモデルは、16年に合計で63万6903台を販売し、前年から9.3%も伸びている。12年の現行Aクラス発売以降の累計販売台数は200万台を超え、メルセデスの重要な柱となっているのである。
なかでも14年に登場したSUVのGLAは、世界的に拡大するコンパクトSUVブームの波に乗り、北米や中国、そしてヨーロッパで大成功を収めて、今やMFA採用モデルで最も重要な車種となっている。
そのGLAがデビューから3年でフェイスリフトを受け、17年1月に北米国際モーターショーでデビュー。今回は、ヨーロッパ市場でのデリバリー開始に合わせて、17年4月3〜4日にハンガリー・ブダペスト郊外にあるハンガロリンクサーキットをベースに開催された「メルセデス・ベンツの最新コンパクトモデル試乗会」で、その走りを体験することができた。
GLAは今回のフェイスリフトでデザイン面を中心に改良が加えられている。フェンダーやドアパネル、ボンネットフードなどの形状に変更はないが、前後バンパーやフロントグリル、ヘッドランプ、リアコンビランプなどが新デザインとなり、これまでよりもグッとSUVらしい力強さと華やかな雰囲気を手に入れ、キャラクターが際立っている。もう「車高を上げたAクラス」などと呼ばれることはないだろう。インテリアは基本的に従来どおりだが、クロームのアクセントトリムが各部に追加されて高級感が増している。
後編へつづく