26歳以上ならば誰でも運転できるレンタカー
カッコ良いクルマを見れば、運転したくなるもの。クルマ好きなら、至極当然のことだろう。
しかし、フェアレディS30Zは相当にハードルが高い。当たり前だが、日産のディーラーに行っても試乗できないし、中古車販売店に行っても、ハンドルを握らせてもらうことは厳しい。かといって、友達にZオーナーがそうそういるわけもないし、オーナーズのミーティングイベントで、いきなり「運転させてくれ!」と直訴しても、却下されるはず。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり!
なんと、箱根にS30Zを用意するレンタカー会社が存在していた。それが「Fun2Drive(ファン・ツー・ドライブ)」。ここはS30Zだけでなく、箱スカ、ケンメリといったヒストリックカーをはじめ、R32からR35までのGT-R、そしてポルシェ911やフェラーリといったスーパースポーツまでを用意するという、クルマ好きをターゲットとしたレンタカー店だ。
26歳以上であれば、会員登録後に電話かネット予約をするだけでOK。
料金はS30Zなら1.5時間で1万1980円。3時間1万8000円、6時間2万5000円だ。これには車両込みの保険料が含まれる(免責20万円)。クルマを買うことを考えれば、激安でS30Zのハンドルを握ることができるのだ。
「お客さまは30〜40代のクルマ好きの方が中心です。リピーターも多く、海外からのお客様もたくさんいらしています。3〜6時間借りて、箱根ターンパイクから芦ノ湖スカイラインを巡るのが、満足度が高いようですよ」とお店のスタッフさん。
Gノーズも勇ましい240ZG仕様のS30フェアレディZ
そんなファン・ツー・ドライブで借り出した昭和50年式フェアレディZは、Gノーズも勇ましい240ZG仕様。L28エンジンに、ウエーバーの3連キャブレター、それにタコ足とデュアルマフラーを装着。ソレックスのキャブレターではないので、いわゆる「ソレ・タコ・デュアル」にならなかったのが惜しい。
とはいえ、定番のチューンで140馬力前後が出ているとか。サスペンションは専門ショップのオリジナル。ワタナベの8スポークホイールも定番。そこにブリヂストンのポテンザRE01Rを装着。フロントが195/60R14、リアが225/50R15。ちょっとエンジンスペックに比べると、太すぎるし、車高が低すぎるかもしれないが、カッコ良さは抜群。ほれぼれする!
ブラックを主体とした室内もレストア済み。カーナビどころかラジオもない、すがすがしいほどシンプルなインテリア。ちなみに、カーナビがないので、借りるときはスマートフォンが必須だ。紙の地図をあえて使うというのも一興だが…。
文:鈴木ケンイチ 写真:森山俊一 取材協力:Fun2Drive