スカイラインが誕生してから2017年で60周年を迎えた。レースでの名シーンを生み、愛称で親しまれたクルマの歴史を振り返る。
コカ・コーラが日本ではじめて製造された年、「有楽町で逢いましょう」のキャッチコピーで親しまれた有楽町そごうが開店した年。戦後の高度経済成長によって日本が活気づいていた1957年の4月、当時の富士精密工業(1961年にプリンス自動車工業に社名変更、1966年に日産自動車と合併)が“スカイライン”を発表した。
その初代は当時としては高性能な60psを発生する1.5L直4エンジンや、スポーツカーにしか採用されていなかったド・ディオン式のリアサスペンションを搭載するなど、高速走行に対応したプレミアムセダンとして憧れの存在だったという。国産車の枠を超えた走行性能を持つモデルとしてデビューしたスカイラインは、高性能なGTカーというコンセプトを大きく変えることなく代を重ねて、2017年4月に60周年を迎えた。
国産車の歴史において、現在でも名称を変えずに60年以上も販売されているクルマはスカイライン以外ではトヨタ ランドクルーザーとクラウンぐらいである。
そんなスカイラインにはハコスカ(3代目)やジャパン(5代目)、鉄仮面(6代目)など愛称をつけられたモデルが多い。ほかのメーカーではヨタハチ(トヨタ スポーツ800)やてんとう虫(富士重工業 スバル360)などいくつかのモデルを挙げられるが、ひとつのブランドで複数の愛称を持つクルマはそうそうない。これはスカイラインが世代を越えて愛されてきた証なのかもしれない。
次回へ続く