ボルボの日本市場において、もっとも多くの販売台数を記録しているV40。その人気モデルに車両価格300万円を切るグレードが追加された。そんなボルボラインアップのベーシックグレードに試乗することができた。

あえてベーシックグレードに乗る、という選択肢はありだと思う

ベーシックグレードについてどんなイメージを持っているだろうか。「フロントバンパーのデザインがショボい」とか「快適装備がほんどない」とか「車両重量に対してエンジンパワーが足りない」などなど、良い印象を持っていない読者も中にはいるのではないか。正直なことを言うと、私も“あるクルマ”に乗るまでは同じような考え方を持っていた。

そのクルマというのがボルボXC90のベーシックグレードであるT5 AWDモメンタムだ。当時Motor Magazine編集部の長期テスト車として稼働していたXC90 T8ツインエンジンAWDインスクリプションが絶対的なパワーや快適装備の充実さにおいて勝っていたものの、T5は必要十分なパワーを持ち、約2トンものボディをフラットにそして軽やかに走らせていたことから、とても好印象だったことがインパクトとして頭の中に残っている。

画像: あえてベーシックグレードに乗る、という選択肢はありだと思う

さて、そんな私が強い期待を寄せているクルマが2017年2月に発表された。これまで、ボルボV40は日本市場においてT3キネティック(339万円)がエントリーグレードとしてのラインアップだったが、そこに今回T2キネティックが追加されたのである。車両価格は299万円と300万円を切り、北欧プレミアムブランドがさらに手の届きやすい価格帯になったと言える。

ボルボといえば、安全性の高さや先進運転支援システム「インテリセーフ」の性能、コーナーをフラットにこなす走り味などを武器に世界中で躍進し続けているメーカーである。ベーシックグレードではこういったボルボの真髄を味わうことができないのではないか、と心配になった人は安心してほしい。T2はしっかりボルボ魂を宿しているし、V40のなかではもっともボルボらしいモデルかもしれないと感じるところもあった。

さて、実際にクルマと対面してみるとエクステリアはT3と比べても大きく変わっているようには見えない。あえて挙げるとすれば、トールハンマーデザインのヘッドライトではなくなり、マイナーチェンジ前のハロゲンライトになっていることくらい。インテリアにおいても同様で、ボルボらしいスカンジナビアンデザインは変わらず、華美な装飾の少ないシンプルな美しさを感じさせる。
次回へ続く

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