石巻港のブランド食材「金華さば」
「金華さば」って、知ってますか? これは宮城県の石巻港のブランド食材で、漁獲量が少ないため「まぼろしの~」と呼ばれることもあるもの。
名前の由来は、石巻の三陸海岸のすぐ近くに金華山という島です。その島の沖合は、北と南からの潮の流れがぶつかるだけでなく、北上川の栄養豊富な水も流れ込みます。しかも三陸海岸特有の複雑な海流があるため、そこで育った魚は、脂がのりつつも、運動十分。締まった良質な魚がたくさん獲れることに。その中でも、特に脂ののった大型のサバを「金華さば」としたのです。
その、「まぼろしの」とまで言われるブランド食材を、気軽にいただけるのが、今回、紹介する「金華さば漬け丼」です。
ポイントは「漬け丼」にしたこと。本来、さばは“足の早い”、傷みやすい魚です。ちゃんとしたものをいただこうとすると、扱いも大変ですから、どうしても高価になりがち。そこを「漬け丼」とすることで、リーズナブル&手軽に楽しめるようにしました。
トロリとした触感で脂の甘みたっぷり
では、さっそくいただきましょう! まずは、ひと切れを、そのまま。トロリとした食感で脂の甘みがたっぷり。しょう油の漬けの味は抑えめで、食材本来の味が楽しめます。「これが金華さばなのか!」と感動。
ごはんも宮城の自慢の宮城県産。うま味はあるけれど、おかずのおいしさを邪魔しない、バランスのよさが特徴です。さばの漬けとの相性も抜群。箸がとまりません。
気が付けば、飽きる間もなく完食。まさに瞬殺です。
東北の食材をいただくということは、ある意味、震災復興の一助にも。おいしくて、社会に役立つなんて、旅の食べ歩きは、なんという素晴らしい行為なんでしょうね!
鶴巣PA(上り)
至 盛岡 大和IC → 鶴巣PA → 富谷JCT 至 東京
仙台市のすぐ北にあるPA。仙台の環状線となる北部道路への分岐の富谷JCTの最寄りとなる。規模は小さいけれど、仙台の北にある石巻に近いこともあって、金華さばを扱っている。オリジナルの「金華さば漬け丼」だけでなく、お土産用の缶詰なども充実。また、PA内で焼き上げるベーカリーのパンも人気だ。
■文:鈴木ケンイチ/■写真:伊藤嘉啓