運転がしやすいのも特徴的
近年のフェラーリで成功作と言われるモデルの1台が「458イタリア」だ。2009年9月のフランクフルトモーターショーでF430の後継車として発表されたこのモデルには、祖国イタリアの名前に排気量と気筒数の数字を組み合わせた車名がつけられた。
その4.5LのV8自然吸気エンジンは最高出力570hpを発揮し、F1で採用されていた7速DCTが組み合わされていた。これで0→100km/h加速は3.4秒以下、最高速は325km/hに達した。
また「E-Diff(イーデフ)」と「F1-Trac(エフワントラック)」という電子制御システムに加え、新開発のABSも採用することで、卓越したパファーマンスを実現した上で、高い安全性も確保している。そして、非常に運転がしやすいのも特徴的なことだ。
クルマ全体の評価が高かったのはもちろん、エンジン単体についても“インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー”で、3回にわたって「4リッター以上のベストパフォーマンスエンジン」に選出されるなど、実力の高さは折り紙付きと言えた。
458イタリアはモータースポーツにおいても活躍した。レースの種類に応じて、GT2、GT3、GTE、Grand-Amという4つの仕様が用意されたが、458GTEはル・マン24時間レースのGTE-Proクラスを2度制している。また、458GT3は世界各国のレースで約500勝を挙げている。
さて、2011年10月に「458スパイダー」、2013年8月には「458スペチアーレ」が発表されている。そして、2015年2月に後継モデルである「488GTB」が登場した。458イタリアは走りはもちろんのこと、ピニンファリーナによるデザインについても高く評価されている。このモデルもフェラーリ70周年において、改めて評価されるべき1台であることは間違いないだろう。