国産メーカーが本格的なスポーツカーを作り始めた1960年代から、昭和最後の年となった1988年までの国産スポーツカーを振り返る短期連載。今回はプリンス・スカイライン2000GT(S54型)をご紹介します。
画像: ホモロゲーション用のスカイライン GT。インパネの上をよく見るとタコメーターが設置されている。

ホモロゲーション用のスカイライン GT。インパネの上をよく見るとタコメーターが設置されている。

プリンス・スカイラインGT(S54-1) は日本グランプリで勝つことができるクルマを目指して作られました。ホイールベースは 155mm、全長は 200mmも延ばされ、その延長分のほとんどが G7型・直6エンジンを搭載するエンジンルームの延長に充てられました。こうして収められたエンジンは最高出力125ps/5600rpm、最大トルク17.0kgm/4400rpmを発生。これに 4速フルシンクロの MTを組み合わせ、180㎞/hの最高速を達成していました。こうして生まれたスカイラインGT はホモロゲーション取得のため、100台が制作されました。その後、日本GP においてポルシェとのつばぜり合いを演じ「ポルシェと対等に戦ったスカイライン」という、いわゆる“スカG伝説”が生まれたのです。

64年5月、スカイラインGTの市販が開始されます。さらに、量産型のスカイライン2000GT-Bは65年2月から市販されました。オプションパーツに5速トランスミッション、70&110Lの燃料タンク、強化サスペンションなどを設定し、レースに即座に出場できるほどの品揃えでした。このクルマがその後の R380 へと続くことは説明するまでもありません。このクルマは日本のモータースポーツシーンにとって大きな転機となったのです。

プリンス・スカイライン2000GT-B 主要諸元

■全長4255×全幅1495×全高1410㎜
■ホイールベース:2590㎜
■車両重量:1070kg
■トランスミッション:4速MT
■サスペンション形式:前=ダブルウイッシュボーン(コイル)/後=リジッド(リーフ)
■エンジン:G7・直6SOHC 1988㏄

なお、本記事のより詳しい内容は「国産名車 昭和を駆け抜けた日本のスポーツカー」という本で見ることが出来ます。

画像: 「国産名車 昭和を駆け抜けた日本のスポーツカー」のプリンス・スカイライン 2000GT(S54型)のページ。

「国産名車 昭和を駆け抜けた日本のスポーツカー」のプリンス・スカイライン 2000GT(S54型)のページ。

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