新型A8の発表は今後のニューモデル攻勢の幕開け
さて、このイベントの主役はやはりフラッグシップとなる新型A8のワールドプレミアだったと言える。その登場の仕方は、クルマを360度ぐるぐると回転させ、それこそ裏側まですべて余すところなく見せるような趣向であった。
そしてA8でやはり注目すべきポイントは市販車初となるレベル3の自動運転機能(アウディAIトラフィックジャムパイロット)が開発されたことだ。
48V電源システムを使ったマイルドハイブリッドシステムを採用
まずは新型A8のボディサイズである。全長は5172mm(A8Lは5302mm)で従来より+37mm 、全 幅は1945mmでマイナス4mm、全高は1473mm(A8Lは1488mm)で+13mm(+17mm)、ホイールベースは2998mm(A8Lは3128mm)で+6mmとなる。
そしてA8では全モデルに48ボルト電源システムを活用したマイルドハイブリッドシステムを採用している。とくにAIアクティブサスペンションシステムは、4輪すべてに電気モーターを搭載し、それぞれが独自にホイールを上げたり下げたりできるのだが、このシステムには、48ボルト電源が不可欠だという。
さらに自動運転機能の他にもAIリモートパーキングパイロットやAIガレージパイロットといった先進の運転支援システムも搭載されている。これは、ドライバーが乗車していなくても、ハンドル、アクセル、ブレーキ、ティプトロニックの操作を自動的に行い、縦列もしくは垂直方向のスペースに駐車することができるというものだ。
そしてこうした先進の安全・運転支援システム(なんと41種類も搭載!)を実現するためにさまざまなセンサーが装着されているのA8の特徴である。こうしたセンサー類から取得した情報をセントラルドライバーアシスタンスコントローラー(zFAS)で高速計算処理しているのである。
新型A8は、アウディのフラッグシップであるとともに、アウディのデザイナーやエンジニアを代表するクルマになったという。つまり彼らがやりたかったことがギュッと詰まっているということなのだろう。
そしてA8の発表は、始まりにすぎないようだ。2018年中には、スロバキアのブラスチラバで生産されるQ8、ドイツのネッカーズルム工場から出荷されるA7、A6、そしてスペインのマルトレル工場で生産されるA1がデビューする
さらにeモビリティを次のレベルに引き上げたe-tronもブリュッセル工場で生産が開始される予定であると公表された。また「20年までに3タイプの高性能な電気自動車を市場に導入する予定である」と。つまりA8のデビューは、アウディのニューモデル攻勢のほんの序章にすぎないということである。(その3に続く)