急変するコンディション
スーパーGT唯一の海外戦が今年は10/7,8の開催。しかしながらこの時期のタイは雨季であり、降っては乾き、を繰り返す天候の中で予選セッションが行われた。ピットウォーク時に降った雨がまだ乾かないまま予選Q1はウェット。12号車カルソニック IMPUL GT-Rの安田裕信がトップタイム、GT-R勢で唯一Q2へ進出した。一転してドライコンディションとなったQ2では、37号車KeePer TOM'S LC500平川亮が12号車マーデンボローを逆転してポールポジションを獲得。3番手に17号車KEIHIN NSX-GTと、3メーカーが揃い踏み、そしていずれもBSタイヤユーザーである。
哀悼が呼んだ涙雨
昨年のスーパーGTタイ戦の直後、2016年10月13日に亡くなったプミポン前国王を哀悼するセレモニー、そして黙祷が行われた。そしてその後のグリッドウォークでは、亡き9世を偲ぶかのようなスコールが短時間に2度、サーキットの路面を洗い流して行く。
タイヤ選択を惑わす強い陽射し
路面は濡れているものの、陽射しは強く徐々に乾き始めている。グリッド上位のマシンはウェットタイヤを選択。一方7番手スタートの1号車DENSO KOBELCO SARD LC500、11番手でポイントリーダーの23号車MOTUL AUTECH GT-R、15番手19号車WedsSport ADVAN LC500の3台はスリックタイヤスタートでポジションアップを狙う。コンディションの変化のため2周回をSCが先導し3周目にリスタート。果たして3台のマシンはウェットタイヤ装着の集団から見る間に離されていき、タイヤ選択は裏目に。GT300クラスにさえペースで叶わず、さらに6周目からは屈辱のラップダウンに。
そして灼熱のサバイバルへ
ポールスタートの37号車KeePer TOM'S LC500がレースをリードする。ウェットタイヤでスタートしたマシンは路面が乾くと続々にピットイン、タイヤ交換へ。このタイミングで3番手17号車KEIHIN NSX-GTと4番手6号車WAKO'S 4CR LC500の順位が入れ替わる。そしてレース中盤、ドライバー交代と給油のためピット作業を行うが、ここで12号車カルソニック IMPUL GT-Rがジャッキのトラブルでポジションを下げ3番手に。さらに残り2周となった時点で12号車はガス欠症状でストップしてしまう。
終わってみれば...
終始2位以下を寄せ付けない走りを見せた37号車がトップチェッカー。今季2勝目を挙げた平川亮・ニック・キャシディ組がポイントリーダーに。2位の6号車大嶋和也・アンドレア・カルダレッリ組もランキングを2位に上げた。3位には17号車NSXが入ったが、上位フィニッシュ6台の内5台をレクサスLC500が占めるという結果に。ハンディウェイトを半分にしたことでレクサス勢が息を吹き返したのだが、次回最終戦もてぎは全車ノーウェイト。開幕戦のようにレクサスが上位を独占してしまうのか?今回9位入賞の23号車MOTUYL AUTECH GT-Rがランクキングを3位に落としたものの、依然王座を狙える位置にいる。果たしてニッサンは奥の手があるのか?
ドライバーズポイントランキング(上位3組)
1位 平川亮・N・キャシディ 69pt
2位 大嶋和也・A・カルダレッリ 63pt
3位 松田次生・R・クインタレッリ 61pt
チームポイントランキング(上位3チーム)
1位 LEXUS TEAM KeePer TOM'S 87pt
2位 LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S 81pt
3位 NISMO 80pt
(PHOTO:井上雅行)