2017-2018年末年始の特別企画「クラウンの系譜」をお届けします。2018年は15代目となるニューモデルが登場する予定のクラウン。これだけ長い期間にわたってユーザーから支持を集める理由はどこにあるのでしょうか。1955年に登場した初代からじっくり見て行きましょう。
初代はアメリカへ輸出された
1955年1月に販売が開始された初代トヨペット クラウン。世界を見据えた初の純国産車であり、大きく見えるがサイズ的には現行のカローラと同程度だ。特徴のひとつは後席の乗降性を考慮した観音開きのドアで、前後ベンチシートとすることにより乗車定員6名を確保したところだろう。
エンジンはR型直4OHV1.5Lの48psで、コラム3速MTと組み合わせられた。ボディは梯子型フレームに載せられたもので、サスペンションは悪路走破を考慮した前ダブルウイッシュボーン、後3枚板ばね懸架だった。
1955年12月にはラジオ(真空管式)やヒーターを備えたデラックスが追加されている。また、1958年10月にマイナーチェンジし、デラックスにはオーバードライブギアが備わるようになった。
さらに1960年10月、小型車枠が2Lに拡大されたのに伴って、輸出用だった3R型直4OHV1.9Lの90psを国内向けにも搭載した。最高速の公称値を従来の100km/hから140km/hへと引き上げると共に、半自動2速ATであるトヨグライドをオプションで設定した。
対米輸出は1958年8月から開始されたが、スピードレンジの違いによる課題があり、1960年12月に終了している。モータースポーツでは、1957年に豪州一周ラリーにエントリー、47位で完走を果たして耐久性を実証した。(初代RS系 1955~1962年 生産台数:116,400台)