(タイトル写真は、ダイムラー社 M256およびV型ガソリンエンジン統括シニアマネージャーのDr. ラルフ・ヴェッラー)
新型直列6気筒エンジンと電動スーパーチャージャーも搭載
1972年に初代のW116型が登場したメルセデス・ベンツのフラッグシップ、Sクラス。現行型は2013年に発表され、昨年のマイナーチェンジで「メルセデス ミー コネクト」などを導入した。
今回、追加設定されたS450は、前述のISGに加え、新型直列6気筒エンジン、48V電気システム、および電動スーパーチャージャーなどの新技術を採用し、効率性、快適性、高性能化を同時に実現している。
ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置され、16kW/250Nmを発生する電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。このISGと48V電気システムにより、ハイブリッド車のような回生ブレーキによる充電を行い、容量約1kWのリチウムイオン電池に充電する。
ドライバーの走行データやレーダーセンターからの情報を元に、エンジンが2秒以上停止しないと予測した場合はアイドリングストップしない。さらにアイドリング時には電気モーターの充電電流を調整し、エンジン回転数を、520rpmという低回転で安定的に保ち、効率性、快適性および静粛性に寄与する。
新開発の「M256」エンジンは単体でも367ps/500Nmを発生する、メルセデス・ベンツにとって約20年ぶりの直列6気筒エンジンで、電化を前提にして設計された初めてのパワーユニットだ。
エアコンやウオーターポンプなどが電動化されたので、エンジン前部のベルト駆動装置が不要になり、コンパクトになった。
さらに、低回転域で過給を行う電動スーパーチャージャーを搭載してターボラグを解消する。
ISGによる動力補助やツインスクロール排気ターボも組み合わせ、あらゆる回転域で俊敏なレスポンスを実現している。
組み合わされるミッションは9速AT、駆動方式はFRのみ。
もちろん、他のSクラスと同様に運転支援システムのインテリジェントドライブをはじめ、安全&快適装備は充実している。
グレードと価格は、ベーシックなS450が1147万円、装備を充実させたS450エクスクルーシブが1363万円、全長を13cm延長したS450ロングが1473万円。いずれもハンドル位置は左右とも選べる。
なお、納車は本年4月頃(S450ロングは夏頃)からの予定。
メルセデス・ベンツ S450 主要諸元(欧州参考値)
全長×全幅×全高:5125×1899×1493mm
ホイールベース:3035mm
パワーユニット:直6DOHCターボ+S/C+モーター・2999cc
エンジン最高出力:270kW<367ps>/5500-6100rpm
エンジン最大トルク:500Nm<51.0kgm>/1600-4000rpm
モーター最高出力:16kW
モーター最大トルク:250Nm
ミッション:9速AT
駆動方式:FR
タイヤ:245/50R18
価格:1147万円(税込)