2018年3月6日に公開されたトヨタの次期オーリスはなぜ、日本市場で“カローラ”スポーツという名称に変更されるのか。そのワケを考えてみた。

オーリス、カローラスポーツ、カローラハッチバック。市場によって名称が違う

2018年3月6日、スイスで開催されたジュネーブ国際モーターショーにおいて、トヨタは次期オーリスを公開した。傾斜させたリアハッチのガラスや、フロントマスクのイメージからもスポーツ性を強く感じられるデザインだった。日本ではカローラスポーツとして発売されることがすでに知られていたこともあり、ユーザーの興味も高かったことだろう。さらに、3月30日からはじまるニューヨーク国際モーターショーにおいても北米仕様を公開すると発表した。

画像: ニューヨーク国際モーターショーで公開予定の北米仕様カローラハッチバック。

ニューヨーク国際モーターショーで公開予定の北米仕様カローラハッチバック。

さて、従来モデルの名称は、日本と欧州でオーリス、北米でカローラiM(サイオンiM)、豪州ではカローラハッチバックとかなりややこしい状態。これが新型になると、日本でカローラスポーツ、欧州でオーリス(変更なし)、北米でカローラハッチバックとアナウンスされ、豪州ではおそらく変わらずカローラハッチバックとなるだろう。ややこしさは解消されていない。

そこで気になったのは、なぜ日本市場での名称を変えたのかということ。オーリスは2代続いていることもあり、知名度もそれなりに高いはずなのにどうしてだろう。

仮説のひとつとして挙げられるのは、販売チャネルごとの取り扱い車種が関係しているのではないか、ということ。というのも、従来のオーリスはトヨペット店とネッツ店で販売され、そこでは同時にワゴンのアヴェンシスがラインアップされてるのだ。

価格帯はオーリスで約260万円〜、アヴェンシスで約275万円〜と若干競合してしまっている。そこで、アヴェンシスを取り扱っていないカローラ店で販売するため、「カローラ」スポーツとしたのではないかということだ。さらに、カローラ店にはスポーティな5人乗り乗用車がなかったこともあり、“ちょうどよかった”のかもしれない。

しかし、名称変更の理由としては少し弱いか。

画像: オーリスとの競合は、パッケージングに優れているとの評判もあるアヴェンシスがあまり売れていない要因のひとつとも考えられるか?

オーリスとの競合は、パッケージングに優れているとの評判もあるアヴェンシスがあまり売れていない要因のひとつとも考えられるか?

もうひとつ理由として考えられるのが、グローバルカーに昇格したカローラ兄弟を日本市場に強く印象づけることだ。日本でのカローラ兄弟は現在、車格のやや小さいヴィッツをベースとしているが、次期型ではプリウスやC-HRなどと同じTNGAのGA-Cプラットフォームを採用する。ボディサイズも若干大きくなり、トヨタはグローバル戦略車として威信をかけて「カローラ」を開発・販売を強化したいところだろう。その第一弾がカローラスポーツとなるわけだ。

では、なぜ若々しいイメージのある“スポーツ”をつけるのか。以前、こんな話を聞いたことがある。たとえば50代の人にクルマを販売するとき、「50代のあなたにぴったりのクルマです」と言っても売れず、逆に「若者向けのクルマなんです」と言うと売れる。若く見られたいという願望が日本人の心の奥底にあるからなんだという。これを聞いたとき思わず納得してしまったが、たしかに若返りを図ったゼロクラウンがいい例だろう。カローラ兄弟でも若返りを図ろうとしているのかもしれない。

画像: モデルの若返りに成功した12代目のクラウン。

モデルの若返りに成功した12代目のクラウン。

仮説をふたつ挙げてみたが、どちらかといえば後者の方が本命かもしれない。

2代続いたオーリスがなくなってしまうのは寂しくもあるが、北米や豪州でカローラ兄弟として販売されているので違和感はそれほどない。どちらにしても、TNGAによって設計されたはじめてのスポーティカーがどんなモデルに仕上がってくるのか、今から楽しみである。

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