1980年、新設されたトヨタの販売店「トヨタビスタ店」が営業開始。それにともなってビスタ店の専売車種として開発された4ドアハードトップが、このクレスタだ。4代目のマークⅡ/2代目チェイサーとともに「マークⅡ 3兄弟」と呼ばれたモデル。その三兄弟のなかでも、高級志向なクレスタは人気になり、当時の「ハイソカー」ブームにも乗って、当時の若者には憧れのクルマとなった。

トヨタ・クレスタってどんなクルマ?

「マークⅡ 3兄弟」の末弟(デビューがいちばん遅い)として1980年代に一世を風靡した中型高級モデルだ。「ハイソカーブーム」の先駆けとなった1台で、マークⅡ 三兄弟の中でももっとも“ハイソ度”が高いと当時の若者たちにもてはやされた。

この初代クレスタは、1980年3月2日に発表、4月1日から発売された。同時に新設されたトヨタビスタ店の営業開始とあわせて登場した「トヨタビスタ店専売車種」であり、ビスタ店の最上級車種でもあった。

そして、兄弟車となる4代目マークⅡ/2代目チェイサーは、初代クレスタから遅れること半年、1980年10月に登場している。

スタイリッシュな4ドアハードトップボディで、角目4灯ヘッドライトがデザインの特徴だ。代表するグレード名として「スーパールーセント」を設定、ツートーンボディカラーも用意された。そして、この「スーパールーセント」という言葉の響きが、当時の“今風”でクレスタ人気の一因となったと言ってもいいだろう。

さて、クレスタ発売当時のエンジンは1988cc直6SOHCの1G-EU型と、1770cc直4OHVの13T-Uの2種類が用意された。そして81年10月に2Lターボが追加され、82年8月のマイナーチェンジでは、あの名機、2L直6のツインカム24、“1G-GE”が搭載された。

クレスタは1984年に2代目(X70系)にフルモデルチェンジ。1988年の3代目(X80系)、1992年の4代目(X90系)、1996年の5代目(X100系)と進化したが、2000年にはビスタ店扱いのヴェロッサへと変わり、歴史ある車名が消えた。その生涯は20年あまりだが中高年層には強烈な印象を残した、記憶に残る1台である。

初代クレスタの価格(当時)

2000スーパールーセント5速MT 190万7000円
2000スーパーツーリング5速MT 159万5000円
2000スーパーデラックス5速MT 147万円
1800スーパーカスタム4速MT 129万2000円
1800カスタム4速MT 119万3000円

※4速ATは5速MT車の6.7万円高、3速ATは4速MT車の6万円高。
※東京での価格。

画像: 角目4灯ヘッドライトで、兄弟車のマークⅡ/チェイサーよりも高級なイメージを醸し出していた。写真は「スーパーカスタム」。

角目4灯ヘッドライトで、兄弟車のマークⅡ/チェイサーよりも高級なイメージを醸し出していた。写真は「スーパーカスタム」。

画像: この直線的で美しいボディラインが大ヒットの理由。写真は「カスタム」グレード。

この直線的で美しいボディラインが大ヒットの理由。写真は「カスタム」グレード。

画像: これがスーパールーセント。グレーメタリック/シルバーメタリックのツートーン色がイメージカラー。

これがスーパールーセント。グレーメタリック/シルバーメタリックのツートーン色がイメージカラー。

画像: インパネ。パワーステアリングが標準採用。また当時としてはまだ珍しいクルーズコンピュータ(航続距離/到着推定時刻/減算距離計/積算距離計/時刻/アラーム/消費燃料)も装備されていた。

インパネ。パワーステアリングが標準採用。また当時としてはまだ珍しいクルーズコンピュータ(航続距離/到着推定時刻/減算距離計/積算距離計/時刻/アラーム/消費燃料)も装備されていた。

画像: カタログの表紙。「ザ・エクスクルーシブ・カー」と書かれている。

カタログの表紙。「ザ・エクスクルーシブ・カー」と書かれている。

1980年には何があった?

ニュース

●日本の自動車生産台数が世界1位に
●ジョン・レノン殺害
●ゲーム&ウオッチ/チョロQ/ルービックキューブ発売

ヒット曲

●ダンシング・オールナイト もんた&ブラザーズ
●大都会 クリスタルキング
●異邦人 久保田早紀


This article is a sponsored article by
''.