MR2ではなくAW11
エンジンを中央に配したミッドシップカー。スポーツカーの王道とされているが、このレイアウトを日本で初めて小型量産車に採用したのが、1984年6月にデビューしたMR2だ。
ミッドシップ配置のエンジンは、カローラから流用した1.5リッター4気筒SOHCと、1.6リッターの4A‐GELU型DOHC16バルブの2タイプを用意。
トランスミッションはマニュアルのみと思いきや、5速MTに加え電子制御4速ATも用意されていた。
このあたり、トヨタの商魂を感じるところともいえるが、現在に続くFun To Drive精神の発露-多くの人に走る楽しみを味わってもらいたい-といった側面が強かったかのかもしれない。
いずれにしても、クルマ好きが多かった時代であったこととお手頃な価格ということで、MR2は押しも押されもしない人気車となった。
あえてMR2と言わずに「オレのAW11で海を見に行かない?」と、型式で女性の気をひこうとしたヤカラが多数輩出したのも、今は昔のこと。
バブル景気まであと2年。
世の中はハイテンションモードに入りつつあった。
車両価格(当時。東京)
MR2 S(1.5リッター/5速MT) 139万5000円
MR2 G(1.6リッター/5速MT) 164万2000円
MR2 Gリミテッド(1.6リッター/5速MT) 179万5000円
*2ウェイオーバードライブ付4速AT車は7万9000円高
1984年(昭和59年)には何があった?
ニュース
・1万円(福澤諭吉)・5千円(新渡戸稲造)・千円(夏目漱石)の新札発行
・グリコ・森永事件
・日経平均株価が初めて10,000円の大台を突破
ヒット曲
・もしも明日が・・・ わらべ
・ワインレッドの心 安全地帯
・Rock’n Rouge 松田聖子