じつはアドバンHFタイプDはCR-Xに当時新車装着されていた
どんよりとした天気の中を伊豆に向かってCR-Xを走らせる。
足柄SAでボクから運転を代わったのは、今日の撮影を担当するモーターマガジン誌の神原(カンバラ)サン。なんと、神原サンはモーターマガジン社に入ってすぐ新車でCR-Xを購入したんだとか。しかも、モデル末期にわずか400台の限定で販売された希少なF1スペシャルエディションを! そしてそのとき、標準装着されていたタイヤはアドバンHFタイプDだったのだ。
CR-X&アドバンHFタイプDの新車時代を知っている神原サンに、当時を思い起こしてもらいながら、運転を代わった。
開口一番、『あ、重っ。オレのはパワステ付いてたぞ』と。『F1スペシャルエディションは、確かにパワステ標準装着ですからね。ボクのは初期型だから付いてないですけど…』という会話をしながら、足柄SAを出発。さっきまでは明るかった空が、どんよりとしはじめ、目的地方面は低くて厚い雲が立ち込める。
『CR-Xを運転するなんて、何十年ぶりかなぁ。確か一回車検を取った位で手放したから。今だに運転が楽しいよね、コレ。』
復刻版HFタイプDはウエットもグッド
霧雨っぽい状態から、だんだんと本格的に雨が降り出してきた。
『当時のアドバンHFタイプDは、ドライ路面では絶大なグリップだったんでしょうけど、ウエットはダメだったんじゃないですか?』と聞けば、『そういえばそうだったなぁ。だけど、この復刻したアドバンHFタイプDはパツパツして感じがないね。ウェットでも安心できるし、乗り心地も悪くないよ。』と神原サン。
そんな会話をしながら、伊豆縦貫道を抜けて修善寺から達磨山方面に。あたりは完全に霧に包まれ、周りはほとんど見えない。
タイトターンが続く、ちょっと荒れ気味の濡れた路面に、強風のため折れた小枝や葉っぱが散らかる。このタイヤにとっては厳しい条件なハズなんだけど、何の不安もなく走っていける。
『当時は、もう少しタックインの傾向が強かったような…。サスペンションはノーマル?』と神原サン。『純正のサスペンションだと、確かにもう少しオシリが出やすいですよね。昔、それでイタイ目にあって社外のアシに換えるときに、リアが粘るような仕様にしちゃったんですよ』
そんなヤリトリをしながら、悪天候の峠を進んでいく。久々に自分のクルマの助手席に座ることになって、当時の貴重なハナシも聞くことができた。雨の山道でもアドバンHFタイプDは安心して走っていける。