1970年代を彩ったサーキットの猛者と言えば「スカイラインGT-R」に触れないわけにはいかない。日産ヘリテージコレクションには伝説のデビュー戦となった1969年JAFグランプリ優勝車が展示されている。(Motor Magazine 2017年3月号より)
1970年代、一世を風靡した初代スカイラインGT‐R
1960年代後半、サーキットはニッサン対トヨタのワークス対決でヒートアップ、日本のモータースポーツ熱は頂点に達していた。しかし、排気量無制限の怪物マシンによる戦いは浮世離れしていたのも事実だった。
1970年代に入ると、自動車の排出ガスが社会問題となり、自動車メーカーはGPからの撤退。かわってグループ7の2座席オープンによる富士グランチャンピオンシリーズ、通称GCシリーズが始まる。
そこでニッサンをはじめとしたワークス勢はGCシリーズのサポートレースであるツーリングカーに力を入れるようになる。スカイラインGT‐R対カペラRE、サニー対カローラというバトルは、観客にとってより身近なレースとして受け入れられ、メーカーの意地が激突するというファン待望の展開となったことで大人気となる。
そこで一世を風靡したのがスカイラインGT‐Rだった。スカイラインGT‐RはR380直系の直6DOHCを搭載して快進撃、まさに敵なしの活躍で1969〜72年までの短期間に52勝をあげ、時代を象徴するクルマとなった。
日産ヘリテージコレクションに展示されているツーリングカーたちを改めて観ると、時空を超えてニッサンの勝利への情熱が伝わって来る。
スカイライン 2000GT-R (1969年 JAFグランプリ優勝車)
●全長×全幅×全高=4395×1610×1385mm
●ホイールベース2640mm
●エンジン= 直列6気筒DOHC(S20型)
●排気量=1989cc
●最高出力=253ps/8400rpm
●最大トルク=21.9kgm/6800rpm
●車両重量=980kg
日産ヘリテージコレクション
日産自動車の80年あまりの歴史を見ることができるスペース。新型車の開発、試作、設計製作を行う日産の生産技術の拠点である座間事業所内に併設され、1930年代の生産車から歴代のレースカーまで、日産のオンロード、オフロード両面の歴史を物語る車両など約400台の記念車を所蔵し、うち常時約300台を展示している。日産自動車の座間事業所内に併設されているということもあって、公式サイトから応募フォームにより事前申し込みが必要だが、入場料はなんと無料。アクセスはあまり良くないが、行ってみる価値ありだ。
●住所:神奈川県座間市広野台2-10-1
●入館料:無料(応募フォームにより事前申し込みが必要)
●開館日:申し込みカレンダーにて確認
●駐車場:あり
●問い合わせ先:☎046-298-4355(受付時間:月〜金10:00〜16:00※ただし12:30〜13:30は除く)http://nissan-heritage-collection.com/
●電車でのアクセス:小田急江ノ島線南林間駅から神奈川中央交通バス「日産」「相武台前駅」「小田急相模原駅」行、「ひばりヶ丘1丁目(または小松原)」下車、徒歩7分。または相鉄本線さがみ野駅から相鉄バス「南林間駅」行「ひばりが丘1丁目(または口機入口)下車、徒歩7分
●クルマでのアクセス:東名高速道路「横浜町田インター」から国道16号線を八王子方面へ。国道246号線を左折、東原4丁目交差点を右折、2つめの信号を左折、1つめの信号(正門前専用信号)前が座間事業所2地区正門、約30分
●展示車両は入れ替えあり