ポルシェ 959は、911ターボにハイテクを与えてグループBに進化。
「PORSCHE 959:ポルシェ 959」
1983年のフランクフルト・モーターショー(IAA)でポルシェが発表したのが、“グルッペB”というコンセプトカー。このモデルは、911を4WD化したプロトタイプだった。そしてグルッペBは「911・4WD」へと改良熟成されて、翌84年のパリ〜ダカールで総合優勝を飾る。
グルッペBはさらに進化して、1985年のIAAでカタログモデルの959としてデビューする。エクステリアは一見911のボディをモディファイしただけのように見えるが、じつはルーフなどを除いて大半は専用に新設計されている。ドアとボンネットはアルミ製で、ボディパネルにはケブラーやCFRP(炭素繊維強化プラスティック)などが多用されている。
パワーユニットは、2.85Lの水平対向6気筒。ヘッドは4バルブDOHC化され、しかもヘッドのみ水冷化されている。ツインターボも装着して、450psと51.0kgmを発生する。ボルグワーナー製の6速MTや多板クラッチ式フルタイム4WDなど、当時のポルシェが持つ先進技術のすべてが投入され、「誰でも全天候で快適な高速移動が可能になった」と言われたものだ。(文:ホリデーオート編集部)
ポルシェ959 主要諸元(1987年)
●全長×全幅×全高:4260×1840×1280mm
●ホイールベース:2270mm
●重量:1450kg
●エンジン種類:水平対向6 DOHCツインターボ
●排気量:2850cc
●最高出力:450ps/6500rpm
●最大トルク:51.0kgm/5500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:リアエンジン フルタイム4WD
●タイヤサイズ:前235/45VR17・後255/40VR17